西村篤子
西村篤子(にしむら あつこ)は、
1953年5月5日生まれの日本の外交官、
政治学者であり、
博士(国際
公共政策)の学位を持つ人物です。外交官としてのキャリアに加え、大学教授や企業の
取締役としても活躍しています。
人物
東京都出身で、祖父は元厚生大臣の
西村英一です。1976年に東京大学教養学部教養学科フランス科を卒業後、1978年に
スタンフォード大学大学院
修士課程
教育社会学専攻を修了し、
修士号を取得しました。1979年に
外務省に入省し、
フランス国立行政学院にも留学しました。
外務省では、条約局法規課首席事務官、
総合外交政策局軍備管理軍縮課兵器関連物資等不拡散室長、
中東アフリカ局アフリカ一課長などを歴任しました。1999年には
国際連合日本
政府代表部参事官/公使、2001年には在
ベルギー日本国
大使館公使を務めました。2004年からは
東北大学大学院
法学研究科教授および
東北大学公共政策大学院教授として教鞭を執り、2005年には大阪大学に論文「アフリカにおける国民国家形成とエスニック・ナショナリズム:ルワンダとタンザニアの事例から」を提出し、
博士号を取得しました。
2008年には独立行政法人
国際交流基金統括役、2012年3月には独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構特命
参与に就任。2014年4月1日には
ルクセンブルク駐箚
特命全権大使に任命され、2016年7月12日には
特命全権大使(女性・人権人道担当)に任命されました。2017年からは
大成建設取締役、国際石油開発帝石
取締役を務めています。2019年より
中央大学国際情報学部教授となり、2021年には
法務省公安審査委員会委員に就任しました。
研究分野と業績
西村篤子氏の研究は、アフリカの政治と社会、国際関係論、特に民族紛争や国家形成の問題に焦点を当てています。
博士論文で取り上げたルワンダとタンザニアの事例研究は、アフリカにおける民族主義と国家形成の複雑さを浮き彫りにしています。また、外交官としての経験も踏まえ、国際政治における日本の役割や多国間協力についても考察を深めています。
著作
西村氏は、学術論文や記事を通じて、自身の研究成果を発信しています。
Serre George, 西村篤子「インタビュ- フランスはこう見る最後の成長市場アフリカ」『外交フォーラム』1998年
西村篤子「ルワンダの民族紛争とエスニシティ」『国際
公共政策研究』2002年
西村篤子「ウジャマー社会主義とニエレレ : タンザニアのネイション形成」『国際公共政策研究』2003年
西村篤子「ルワンダにおけるエスニシティの政治化 : 1990年から1994年を中心に」『国際
公共政策研究』2005年
これらの著作は、アフリカの政治状況や民族問題に対する深い洞察を示しており、学術界において高く評価されています。
同期
西村氏と
外務省入省が同期の人物には、以下のような方がいます。
平松賢司(外務省総合外交政策局長)
田良原政隆(駐
エルサルバドル大使)
北岡元(エディンバラ総領事)
横井裕(駐トルコ大使)
花谷卓治(駐フィジー・バヌアツ・キリバス・ツバル・ナウル大使)
伊原純一(
外務省アジア大洋州局長)
山口壯(衆議院議員)
大江博(
内閣官房内閣
審議官)
宮川眞喜雄(駐マレーシア大使)
廣木重之(駐南アフリカ大使)
長谷川晋(八戸学院大学客員教授、八戸学院短期大学客員教授)
小林弘裕(アフリカにおける地域経済共同体・平和・安全保障担当大使)
堀江良一(駐ケニア大使)
西岡淳(駐
ジブチ大使)
小川正史(駐ネパール大使)
礒部博昭(駐
パナマ大使)
羽田浩二(駐フィリピン大使)
大澤勉(駐カメルーン大使)
これらの同期の方々も、外交官や政治家、学者として各界で活躍しています。
まとめ
西村篤子氏は、外交官、
政治学者、大学教授、企業
取締役という多岐にわたる顔を持つ人物です。国際
公共政策における深い知識と、アフリカ研究における専門性、そして豊富な実務経験を活かし、国内外で重要な役割を果たしています。