西谷啓治

西谷啓治：日本の哲学者

西谷啓治（にしたに けいじ、1900年2月27日 - 1990年11月24日）は、日本の著名な哲学者であり、特に宗教哲学の分野で知られています。京都学派に属し、京都大学の名誉教授として広く認識されています。彼は文化功労者としても評価されており、その貢献は日本の思想界において重要な位置を占めています。

経歴

西谷は石川県鳳珠郡能登町で生まれました。彼は宇出津小学校に入学した後、家族と共に東京に移り住みます。1912年には早稲田中学に進学し、そこでの成績は優秀で、卒業時には優等賞を受賞しました。しかし卒業後に肺結核を患い、第一高等学校への進学を一時断念して北海道で療養しましたが、1年後に、回復を果たし、第一高等学校に進学しました。

大学では、京都帝国大学文学部哲学科に入学し、西田幾多郎の指導を受けながらシェリングとベルグソンをテーマにした卒業論文を執筆しました。彼の大学卒業後の職歴には、旧制平安中学校の代用教員や京都高等工芸学校の講師、第三高等学校の講師を経て、1935年には京都帝国大学文学部助教授に就任します。

戦前の活動

彼のドイツ留学は、文部省の在外研究員としてフライブルクに赴いてから始まり、ハイデッガーに師事しました。1943年には同大学の教授に昇格し、戦時中は「近代の超克」に参加し、戦争の意義を考察しました。また、1945年に京都帝国大学に『宗教哲学』をテーマにした学位論文を提出し、文学博士号を取得しました。

戦後の展開

戦後は彼の言説が問題視され、公職から追放され、京都大学を辞職することになりますが、1952年には公職追放が解除され、再び京都大学に復帰し、1963年に定年退官。その後は大谷大学の教授も務めました。1965年には日本学士院の会員に選出され、2020年に彼の記念館が能登町宇出津に設立されました。

研究内容と業績

西谷啓治の研究は幅広く、ドイツ神秘主義の研究と同時に、後半生には禅仏教に強い関心を抱くようになりました。京都学派の一員として、高坂正顕や高山岩男と共に「京都学派四天王」と称され、宗教哲学だけでなく、芭蕉やリルケに関する随筆も多く残しています。

彼の著書には『西田幾多郎』や『禅の本質と人間の真理』、翻訳書では『自由意志論』などがあり、哲学者たちとの対話を通じて日本の現代思想を展開し続けました。

栄典と家族

彼の父は西谷米次郎、母はかよで、従弟に未來社の創設者、西谷能雄がいます。彼の息子、西谷裕作は倫理学を専門とし、京都大学の助教授として活動しました。

まとめ

西谷啓治の思想は、宗教哲学や自身の人生観を通じて、日本の哲学界に深い影響を与えてきました。彼の業績と思想は、現代においても引き続き評価されています。

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