西長野

西長野：歴史と文教が息づく長野市の地域

西長野は、長野市街地の北西部に位置する地域で、大字西長野を中心に、新諏訪町、西長野町などが含まれます。この地域は、その歴史的な変遷とともに、独特の文化と景観を形成してきました。

複雑な住所表記と住居表示の実施

西長野地域では、住所表記において「大字」を省略する慣例があり、これが地域外の人々にとっては混乱の原因となっていました。例えば、長野市立西部中学校西側の県有地は、「長野市大字西長野新諏訪町－」「長野市新諏訪町－」「長野市大字西長野字日照田*－」といった複数の表記が存在していました。この複雑な状況を解消するため、長野市は2010年に新諏訪地区で住居表示を実施しました。しかし、他の地域では依然として複雑な住所表記が残っています。

地理的特徴と地域構造

西長野は、裾花川の谷口に広がる扇状の地形をしており、北西部には葛山の山地が連なっています。地域の中央部を国道406号が東西に横断し、周囲には長野市の大字や町丁が隣接しています。この地域は、長野市役所第一地区の管轄下にあります。

歴史的変遷：県庁所在地から文教地区へ

明治初期、西長野には長野県庁が置かれ、周辺は官庁街として栄えました。しかし、1908年の火災で県庁が焼失し、その後、長野師範学校や旧制長野中学校が設置され、文教地区としての性格を強めていきました。現在では、信州大学長野（教育）キャンパスがその中心となり、周辺には学生向けのアパートが多く見られます。

西長野の歴史

大字西長野と新諏訪一・二丁目の範囲は、1881年当時の上[[水内郡]]西長野町の範囲にほぼ相当します。江戸時代には松代藩領であった腰村が、明治維新を経て長野県に編入され、1881年に西長野町となりました。その後、長野町に編入され、市制施行に伴い長野市の大字西長野となりました。1936年には、新諏訪町が西長野町から分立し、1941年には往生地が分離しました。1947年には長野師範学校附属中学校が開校し、1949年には長野師範学校が信州大学に改組され、現在の信州大学長野（教育）キャンパスとなりました。

新諏訪町：花火の伝統と住居表示

新諏訪町は、西長野町の北西に位置する町で、一丁目と二丁目からなります。1936年に西長野町から分立しました。町名は、諏訪神社に由来します。新諏訪町では、諏訪神社で奉納される「杜煙火」が有名で、その歴史は1836年の疫病流行時にまで遡ります。1998年には「瓜割煙火」として長野市選択無形民俗文化財に指定されました。2010年には住居表示が実施され、住所表記が整理されました。

西長野町：信州大学と歴史的建造物

西長野町は、信州大学教育学部を中心に広がる町で、国道406号が中央を東西に横切っています。この町は、1936年に新諏訪町、1941年に往生地を分離した後の残りの地域です。かつて長野県庁が置かれていた場所であり、現在でも古い商店が残っています。町内には、登録有形文化財に指定された長野聖救主教会や加茂神社があります。また、善光寺七清水の一つである夏目清水がある西光寺も、この町に位置しています。

交通と施設

西長野地域内では、アルピコ交通（川中島バス）の路線バスが利用できます。また、信州大学長野（教育）キャンパス、長野市立西部中学校、長野市立加茂小学校、長野県自治会館などの公共施設があります。かつて存在した善光寺白馬電鉄信濃善光寺駅の遺構は残っていませんが、付近には橋脚が残っています。

西長野は、歴史と文化が深く結びついた地域であり、その多様な側面が訪れる人々を魅了します。

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