親衛隊 (ソ連・独立国家共同体)

親衛隊の歴史と役割

親衛隊（ロシア語: гвардия）は、ロシア帝国、ソビエト連邦、現在のロシア、ウクライナ、ベラルーシなどの旧ソ連諸国におけるエリート部隊を指します。これらの部隊は、国家の重要な護衛任務を担い、歴史的に多くの戦争や紛争に携わってきました。特に、ロシア帝国からロシア革命、そしてソビエト連邦時代にかけて、その役割は時間と共に変化しています。

帝政ロシアの親衛隊

1690年代に、ロシア皇帝ピョートル大帝によって創設された皇帝親衛部隊（лейб-гвардия）は、帝政ロシア時代の親衛隊の始まりです。20世紀初頭には、13個の歩兵連隊、4個の狙撃兵連隊、14個の騎兵連隊を含む多様な部隊が編成されていました。しかし、1918年にこの部隊は廃止されました。

ロシア革命と新たな軍の形成

ボリシェヴィキによって軍が統制された後、陸軍は赤軍（または赤衛隊）と呼ばれることになります。反革命勢力は白軍（白衛軍）と称され、この時代にはその他にもアナーキストの黒衛軍、ポーランド軍の青衛軍など、多くの武装グループが存在しました。1930年代に入ると、赤軍は公式に「労農赤軍」として認識されるようになり、赤衛軍という名称は次第に使われなくなりました。

ソビエト連邦時代の親衛隊

ソビエト連邦における親衛隊は、ナチス・ドイツの親衛隊とは異なります。祖国防衛において顕著な戦功を挙げた部隊に与えられた名誉称号であり、1941年9月に最初に付与されました。その後、個別の軍人にも「親衛」という称号が与えられるようになりました。いくつかの狙撃師団も親衛狙撃師団に改称され、さまざまな戦闘での功績が称えられました。

1942年から1944年にかけて、特別な親衛徽章が導入され、親衛称号を持つ部隊は装備や待遇などで優遇されました。特にスターリングラード攻防戦での第8親衛軍の戦功は注目され、高く評価されました。

ソ連崩壊後の状況

1991年のソビエト連邦崩壊後も、親衛隊の伝統は各国の軍隊に引き継がれました。ロシア連邦軍にはいくつかの親衛部隊が存在し、具体的な部隊名も多く残っています。

ロシア連邦における親衛部隊

ロシアには、いくつかの親衛部隊が配備されています。たとえば、モスクワ軍管区には第20親衛機械化狙撃軍や複数の親衛戦車師団が含まれ、北カフカーズ軍管区や空挺軍にも親衛部隊が存在します。特に、空挺軍の親衛部隊は、特殊任務をこなす部隊として重要な役割を果たしています。

ウクライナでの変化

ウクライナは2014年に親衛称号を全ての軍部隊から抹消しましたが、新たに組織されたウクライナ国家親衛隊は、国内での特別な役割を担う重要な部隊です。

その他の旧ソ連諸国

カザフスタンやキルギスでもそれぞれの国家に応じて親衛隊が組織されており、大統領の警護や式典の際の儀仗部隊として活動しています。

結論

親衛隊は、ロシアの歴史を通じて、国家の防衛や重要な任務を担い続けてきた部隊です。このようなエリート部隊は、国家のシンボルとして、今でもその存在を保っています。

もう一度検索