観音信号場

観音信号場（かんのんしんごうじょう）

観音信号場は、かつて台湾宜蘭県南澳郷に位置していた台湾鉄路管理局北廻線の信号場です。現在は廃止されており、その姿を見ることはできません。

信号場の構造

観音信号場は、全長7,740mにも及ぶ観音トンネルの中に設けられていました。この特異な場所に設置された理由は、武塔駅と漢本駅間の距離が長く、線路容量を増強する必要があったためです。また、この区間には観音トンネルの他に鼓音トンネル、谷風トンネルと複数のトンネルが存在し、トンネル間の距離も短いため、地上に信号場を設けることが困難でした。そのため、中間地点の観音トンネル内に信号場が設置されることになりました。

信号場には、列車の交換設備と安全側線が備えられていました。開業当時、北廻線では腕木式信号機が使用されていましたが、観音信号場はトンネル内に位置するため、隣接する武塔駅と漢本駅に連動装置が設置され、色灯式信号機が採用されました。

利用状況

観音信号場は、現在では廃止されており、その役割を終えています。現役時代は、漢本駅から遠隔で制御されていました。

信号場周辺の状況

観音信号場の周辺には、7,740mの長さを持つ観音トンネルが広がっています。

現在、宜蘭県政府は、この観音信号場があった旧観音トンネルを含む武塔駅と漢本駅間の旧線を自転車道として整備する計画を発表しており、かつての鉄道施設が新たな形で活用されることが期待されています。

歴史

観音信号場は、武塔駅と漢本駅間の線路容量を増やすために開設されました。この区間はトンネルが連続しており、地上に信号場を設置することが難しかったため、観音トンネル内に設置されました。

しかし、1984年12月27日には、トンネル内の換気問題が原因で一時的に廃止されました。その後、縦坑を掘って換気問題を解決し、1992年12月29日に再開されました。この縦坑によって、トンネル内の空気の流れが改善され、信号場としての機能が回復しました。

2003年6月13日、武塔駅と漢本駅間が複線電化されることになり、新観音トンネルを含む新線に切り替えられました。この新線への切り替えに伴い、観音信号場はその役目を終え、廃止されました。

隣の駅

台湾鉄路管理局

北廻線（旧線）

武塔駅 - 観音信号場 - 漢本駅

参考文献

觀音號誌站（驛站之旅） （繁体字中国語）

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