観音寺 (恵那市)

観音寺（かんのんじ）の概要

観音寺は岐阜県恵那市明智町に位置する臨済宗妙心寺派の寺院で、山号は滝坂山です。この寺院は聖観世音菩薩を本尊としており、地元では滝坂観音として親しまれています。また、恵那三十三観音霊場の十八番札所としても知られています。

歴史

観音寺の創建は明知村の阿弥陀ヶ入に始まりました。ここには、旗本である明知遠山氏の初代、遠山利景が崇拝していた萬勝寺から勧請された木造の聖観世音菩薩坐像がありました。この木像が後に観音寺の本尊となります。

その後、明知城の近く、滝坂村を新たな霊地に選び、慶長17年（1612年）に龍護寺の初代覚巌によって開山されました。遠山利景の死後、寺は彼の位牌所の一つとして機能するようになりました。聖観世音菩薩坐像や不動明王像は、戦の際に彼を守った神聖な像とされ、「明知年譜」には「至って古仏」と記されています。

宝暦8年（1758年）には、恵那三十三観音霊場が設立され、観音寺は初めて十番札所となりました。その後、霊場の再編成に伴い、十八番札所となりました。

文化13年（1816年）の「明知村明細書上帳」には、本堂が創建以来のもので、現在は恵那市の文化財に指定されていることが記されています。本尊の滝坂観音は中風や癌の封じ込めの霊験があるとして信仰されています。

境内

観音寺の境内には様々な施設や業界が存在します。たより弘法堂や滝清水観音、西国三十三所観音堂、さらには十一面観音や無縁仏合祀供養壇、その他の観音石仏群などがあります。また、寛政9年（1797年）に建てられた供養碑も見られます。

西国三十三所観音堂は、宝暦10年（1760年）に地域の講中によって勧請されたもので、観音寺の信仰の一端を担っています。また、明治28年（1895年）には日清戦争終了を記念して建立された「征清記念碑」があり、地元の村々が合同で祝宴を催した際の余興には学生によるさまざまなパフォーマンスが行われました。境内には恵那市の天然記念物に指定されているシダレザクラもあり、訪れる人々を魅了しています。

墓地

観音寺の裏山には上下二段の墓地があり、特徴的な舟形の墓碑も見受けられます。しかし、風化が進んでいるため、墓碑の文字を読み取るのは難しくなっています。元禄時代のものと判別できる墓碑も存在し、その中には天明8年（1788年）の刻印がある無縫塔も見られます。

指定文化財・天然記念物

観音寺は岐阜県において重要文化財として指定されており、特に本堂は慶長17年（1612年）に建立された建築物としての価値が評価されています。また、観音堂にある枝垂れ桜も天然記念物として保護されています。

参考文献

• - 『明智町誌』 第二章 宗教 第二節 寺院 その他の禅宗寺院 1960年
• - 『明知御陣屋 乾 （旗本明知遠山氏年譜）』 2009年
• - 『恵那郡史』 第八篇 現代 第四十一章 人文の発展 1926年

もう一度検索