角兄麻呂

角兄麻呂の生涯と業績

生い立ちと出家

角兄麻呂（ろく の えまろ/つぬ の えまろ）は、奈良時代に活躍した貴族であり、その生没年は不詳です。彼の氏姓は当初、觮または角・都能（無姓）とされ、後に羽林連に改姓されました。初めに出家し、恵耀の名で知られるようになりましたが、文武朝の大宝元年（701年）に勅命を受け、信成・東樓と共に還俗し、本来の姓である觮兄麻呂に戻りました。

官歴と主要な業績

彼の官位は従五位下・丹後守であり、当時の官人考試帳には、陰陽師としての才能が高く評価されている記録があります。この時、彼は「中上」の評価を受けており、その年齢は43歳でした。

元正朝の養老3年（719年）には、従五位下に叙爵され、その後の養老5年（721年）には、学業を修め模範となる者を選び、津守通や王仲文と共に、絁や絹糸、布、鍬を賜りました。特に、彼は陰陽に才能があったため、多くの人々に影響を与えたことでしょう。

神亀元年（721年）には、彼の姓が都能（無姓）から羽林連に変更されました。これは、当時の社会において彼の地位が強化されたことを意味しているでしょう。しかし、その後の神亀4年（727年）には、国司の勤務状況が調査された際、彼は法を著しく犯していたとして流罪に処されました。

和歌と文化への寄与

角兄麻呂は、『万葉集』にも存在する人物であり、難波・住吉行幸に従駕した際の作品が幾つか収録されています。このことからも、彼が文学や文化に対しても深い関わりを持っていたことが伺えます。

彼の詠んだ和歌は、その時代の人々の心を捉えたものであり、後世に残る文化的遺産として高く評価されています。特にその作品は、彼自身の人生や思いを色濃く反映していることから、奈良時代の貴族であった彼の内面をうかがい知る上でも貴重です。

結論

角兄麻呂は、力ある陰陽師として貴族社会の一員であり、また流罪に処されることによってその波乱に満ちた生涯を記録に残しました。彼の故事は、日本の歴史における重要な要素の一つとして、重要性を持ち続けています。

彼の実績や生き様は、奈良時代の文化や官人の生活を理解する上で欠かせない要素であり、今后も研究が進められることでしょう。

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