角田県

角田県の歴史と沿革

角田県（かくだけん）は、1869年の明治2年8月に設置された日本の県であり、磐城国北部と陸前国南部を管轄地域としていました。この地域は現在の宮城県南部および福島県新地町に該当します。角田県の前身には南部氏が支配していた白石藩や、白石県が存在します。

角田県の設立背景

明治元年の1869年12月24日、戊辰戦争によって仙台藩は62万石から28万石に減封され、没収された所領が盛岡藩の南部利恭に与えられ、これにより白石藩が発足しました。白石藩の発足後、南部利恭は明治政府に条件を付けて旧領への復帰を許可され、白石藩の領地は政府直轄地となります。

その結果、1869年8月には白石県が設立され、県庁は白石城に置かれましたが、1869年11月には県庁が角田城に移転したことに伴い、県名が角田県に改称されました。この時期の角田県は南部氏の支配下にあり、白石藩の名残を色濃く残していました。

角田県の短い運命

角田県は設立から間もなくして、明治4年の1871年11月2日には第1次府県統合の一環として仙台県に編入され、これに伴い廃止となってしまいました。角田県の機関はそのまま仙台県に吸収され、地域の政治的な中心は仙台へと移行しました。

仙台県は、その後明治5年1月8日に名称が宮城県に改められ、現在の宮城県に繋がっていくことになります。

管轄地域と歴代知事

角田県の管轄地域には、磐城国の刈田郡、伊具郡、亘理郡、宇多郡の9か村が含まれていました。また、陸前国の柴田郡もこの県に属していました。つまり、限られた地域において短期間ながらも県として機能していたことがわかります。

角田県の歴代知事には、まず白石県の権知事であった武井守正が任命された後、角田県においても同じく武井守正が知事を務めました。彼は元々姫路藩士であり、官職においても重要な役割を果たしていました。

角田県の意義

角田県は短い間に終わりを迎えましたが、地域の歴史において重要な役割をしたことは言うまでもありません。南部氏の影響を受けたこの地域の支配構造や、県としての体制の形成、そしてその後の仙台県との統合は、近代日本における地方行政の変遷を物語っています。

角田県の歴史をたどることで、明治政府の政策や地元の権力者の動きがどのように地域に影響を及ぼしたかを知ることができ、今なお地域の文化や歴史に対する理解が深まります。

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