角茂樹

角茂樹について

角茂樹（すみ しげき）は、1953年6月13日生まれの日本の外交官です。これまでに、在ウィーン国際機関日本政府代表部大使、国連[[大使]]、そして駐ウクライナ特命全権大使を歴任しました。その功績は多岐にわたり、国際社会における日本の存在感を高めることに大きく貢献しました。

生い立ちと学歴

角氏は、栄光学園中学校・高等学校を経て、1977年に一橋大学商学部を卒業しました。その後、外務省に入省し、1980年にはオックスフォード大学セント・キャサリン・カレッジを卒業しています。これらの学歴は、彼の外交官としてのキャリアの基礎を築きました。

外務省でのキャリア

外務省では、国連PKO室長として、自衛隊のルワンダ難民救援派遣やゴラン高原派遣などを推進しました。また、国際連合日本政府代表部一等書記官、駐タイ公使などを経て、外務省国際社会協力部参事官として、障害者権利条約の起草に関する作業部会に日本首席代表として参加し、条約締結に向けて尽力しました。さらに、世界エイズ・結核・マラリア対策基金（グローバルファンド）の理事も務めました。

大使としての活躍

2005年には在ウィーン国際機関日本政府代表部大使に就任。2008年からは国連[[大使]]、2011年からは駐バーレーン特命全権大使、2014年からは駐ウクライナ特命全権大使を務めました。駐ウクライナ大使在任中は、ロシアによるクリミア侵攻後の避難民への対応や、インフラ復旧の重要性を訴え、日・ウクライナ投資協定の署名などに尽力しました。

受章歴

角氏は、その外交官としての長年の功績から、タイ王冠勲章をはじめ、バーレーン、モルドバ、ウクライナから数々の勲章を受章しています。特にウクライナ大使在任中には、5つの勲章を受章しており、その活躍ぶりが伺えます。

その他の活動

大使退任後は、玉川大学や星槎大学で客員教授を務め、後進の育成にも力を注いでいます。また、星槎大学附属国際問題研究所顧問やローマ教皇受け入れ委員会顧問、日本司教協議会顧問など、幅広い分野で活躍しています。

人物像

数多久遠著『北方領土秘録』では、隅繁彰大使のモデルとして描かれています。これは、角氏の外交官としての人物像を示す一つの側面と言えるでしょう。

主な経歴

1973年3月：栄光学園高等学校卒業
1977年3月：一橋大学商学部卒業
1977年4月：外務省入省
1980年6月：オックスフォード大学セント・キャサリンズ・カレッジ卒業
1987年6月：在パキスタン日本大使館一等書記官
1989年12月：国際連合日本政府代表部一等書記官
1993年8月：外務省総合外交政策局総務課企画官
1994年2月：外務省総合外交政策局国連政策課国際平和協力室長
1996年2月：外務省欧亜局大洋州課長
1997年8月：在ジュネーブ国際機関日本政府代表部参事官
2000年7月：在タイ日本国[[大使館]]公使
2003年：タイ王冠勲章第一等受章
2003年5月：外務省大臣官房参事官 兼 総合外交政策局国際社会協力部参事官
2005年9月：在ウィーン国際機関日本政府代表部大使
2008年8月：国際連合日本政府代表部大使
2011年9月：駐バーレーン特命全権大使
2013年：バーレーン勲章第一等受章
2014年9月：駐ウクライナ特命全権大使
2014年11月：兼駐モルドバ特命全権大使
2016年：モルドバ共和国名誉勲章、ウクライナ国防大臣貢献勲章受章
2018年：ウクライナ大統領二等功績勲章、ウクライナ文化大臣勲章、ウクライナ内務大臣貢献勲章、ウクライナ国防相ウクライナ軍支援勲章受章
2019年：玉川大学客員教授、のち、星槎大学客員教授、星槎大学附属国際問題研究所顧問、ローマ教皇受け入れ委員会顧問、日本司教協議会顧問、岩手大学客員教授、上智大学非常勤講師、川村学園女子大学特任教授

著書・論文

『国際平和協力入門』（共著）有斐閣選書（1995年8月）
『ウクライナ侵攻とロシア正教会』KAWADE夢新書(2022年8月)
「太平洋島嶼国の資源状況と国際関係」国際資源. (通号 267) [1997.03]
「障害者権利条約への道 第3回障害者権利条約に関するアドホック委員会に出席して」ノーマライゼーション. 24(7) (通号 276) [2004.7]
「障害当事者のための条約にするためにこれから何が必要か」DPI. 20(3) [2004.9]
「1990年代はじめの国連と日本」国連ジャーナル. 2006(秋)

同期

角氏と同期入省した外交官には、秋元義孝、佐野利男、鈴木敏郎など、多くの著名な人物がいます。

外部リンク

ロシアは、なぜウクライナに侵攻したのか - 2022年3月30日
黒海の真珠とうたわれたオデッサの日本領事館 - 2021年3月10日
キエフ・ルーシーｖｓ第三のローマ －正教会からみたウクライナとロシア - 2019年4月24日
角茂樹駐ウクライナ日本国特命全権大使 日本の対露制裁の継続は、クリミアとドンバスだけの問題ではなく、原則の問題 - 2018年12月
* 大使挨拶（在バーレーン日本国大使館ホームページ内）

角茂樹氏は、その国際的な視野と幅広い経験、そして卓越した外交手腕で、日本の外交に大きく貢献した人物と言えるでしょう。

もう一度検索