解部

解部（ときべ）は、古代日本において訴訟を職務とした機関、またはその職員を指します。特に、部民制における訴訟を専門とする部の一つとして知られています。また、明治時代の刑部省にも解部が設置されました。

令制における解部

持統朝の時代には、100人の解部が設置されました。令制下においては、刑部省に60人、治部省に10人が配属され、それぞれの職務を遂行しました。

解部の職務は多岐にわたり、刑罰の執行、警察業務、軍事関連、呪術、氏姓に関する業務などを担当しました。特に、盟神探湯（くがたち）の執行者としても知られ、物部氏の配下にあったとされています。

しかし、刑部省の解部は808年（大同3年）に廃止されました。

近代における解部

明治時代に入り、刑部省が再編されると、三等の解部が再び設置されました。これは、近代的な司法制度の確立を目指す過程で、旧来の制度を一部取り入れたものと考えられます。

解部の役割と意義

解部は、古代から近代にかけて、日本の司法制度の一端を担ってきました。特に、部民制下においては、訴訟を専門とする部として、社会秩序の維持に貢献しました。また、刑部省や治部省に配属されることで、中央政府の司法機能を支える役割も果たしました。

盟神探湯の執行者としての役割は、古代社会における神判の重要性を示すとともに、解部が単なる事務的な職務だけでなく、宗教的な側面も有していたことを示唆しています。

参考文献

前之園亮一「宋書南斉書・名代・猪膏から見た氏姓成立と盟神探湯」学習院史学 38, 23-41, 2000年3月

関連項目

部民制
刑部省
治部省
* 物部氏

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