調川駅

調川駅（つきのかわえき）

調川駅は、長崎県松浦市調川町下免に位置する、松浦鉄道西九州線の駅です。この駅は、日本有数のアジとサバの水揚げ量を誇る松浦魚市場の最寄駅として知られています。その縁から、「日本一のアジ・サバ水揚げ基地」という愛称が松浦鉄道によって名付けられました。

歴史

調川駅は、1933年（昭和8年）6月25日に、鉄道省伊万里線（後の松浦線）の駅として開業しました。その後、1970年（昭和45年）10月1日に貨物・荷物の取り扱いを廃止し、無人駅となりました。国鉄分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日にJR九州松浦線の駅となり、さらに1988年（昭和63年）4月1日には、第三セクターである松浦鉄道への転換に伴い、同社西九州線の駅となりました。2015年（平成27年）5月11日には、駅の愛称が「日本一のアジ・サバ水揚げ基地」に決定し、現在に至ります。

駅構造

単式ホーム1面1線を有する地上駅で、無人駅です。駅舎はありませんが、待合室、トイレ、公衆電話が設置されており、利用者の利便性が考慮されています。

利用状況

近年の一日平均乗車人員は以下の通りです。
（省略）

駅周辺

調川駅は、松浦市調川町の中心部に近い場所に位置していますが、駅自体は表通りから少し奥に入ったところにあり、住宅はそれほど多くありません。駅の北側、海沿いには松浦地方卸売市場（松浦魚市場）とその関連施設や工場が広がっています。駅周辺には、松浦市立調川中学校、松浦市立調川小学校、松浦市役所調川支所などの公共施設もあります。

悲しいエピソード

1943年4月5日の夕方、調川駅で脱線事故が発生しました。引込線から引き上げてきた貨物列車が分岐器付近で脱線したもので、事故自体は大きなものではありませんでしたが、本線の運行に支障をきたす恐れがあったため、大急ぎで復旧作業に取り掛かりました。しかし、すでに辺りは真っ暗で、警戒警報（空襲警報）と燈火管制の影響で明かりを灯すことができず、作業は難航しました。当時の丸山七郎駅長は、苦慮の末に明かりを灯して作業を完了させましたが、その行為が近くの山上にあった軍の監視所に確認されてしまいました。丸山駅長はその後、この事故と軍命令違反の責任を取り、自らの出発合図で発車する機関車に飛び込み自殺しました。

この出来事はすぐに上層部に伝えられ、当時の八田嘉明鉄道大臣から遺族に異例の称頌状と弔慰金が贈られました。また、国鉄職員で結成された国有鉄道門司地方奉公会と当時の調川村長の呼びかけにより、当時の金額で約17,280円もの募金が集まり、養育費として遺族に贈られたほか、その一部を使って1945年5月には、駅構内に円柱状の称頌碑が立てられました。国鉄時代、有人駅であった頃には毎年、駅職員が花を手向け、丸山駅長を慰霊する光景が見られたと言われています。

隣の駅

松浦鉄道

■西九州線

前浜駅 - 調川駅 - 松浦駅

参考文献

「九州の鉄道」倉地英夫・大谷節夫、西日本新聞社、1980年
鉄道九十年記念出版「鉄道碑めぐり」日本国有鉄道、1962年 P179-180「調川駅の殉難碑」

関連項目

日本の[[鉄道駅一覧]]

外部リンク

松浦鉄道'>調川駅時刻表 - 松浦鉄道

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