諸山

諸山（しょざん）とは

諸山とは、五山制度において、五山、十刹に次ぐ寺格を指します。中国では「甲刹（こうさつ）」と呼ばれていました。五山制度は、鎌倉時代後期から室町時代にかけて確立した禅宗寺院の寺格制度で、寺院の格式を定めることで禅宗寺院の統制を図る目的がありました。

諸山の成立

諸山の始まりは、元亨元年（1321年）に鎌倉幕府の元執権である北条高時が、自らが鎌倉弁谷に建立した崇寿寺（現在は廃寺）を五山に次ぐ寺として「諸山」の称号を与えたのが最初とされています。これは、五山に次ぐ寺格を設けることで、禅宗寺院の勢力をさらに拡大しようとしたと考えられます。

その後、五山・十刹に列せられなかった禅寺に対して、諸山の称号が与えられるようになりました。原則として、室町幕府の将軍御教書によって指定されることになっていましたが、実際には上限が設けられなかったため、多くの禅寺がこの称号を得ました。その中には、北朝上皇の院宣や、敵対する南朝によって諸山の称号を追認されたものまであったと言われています。

諸山の特徴

諸山の特徴としては、以下の点が挙げられます。

五山、十刹に次ぐ寺格である。
室町幕府の将軍御教書によって指定された（原則）。
上限がなかったため、多くの禅寺が諸山の称号を得た。
北朝、南朝の両方から称号を与えられた寺もあった。

諸山は、五山、十刹とともに、当時の禅宗寺院を代表する寺格でした。その数は、最盛期には230に上ったとされています。諸山の設置は、大和、和泉、志摩、飛騨、佐渡、隠岐、豊前の七ヶ国を除く、全ての令制国に及んだとされています。これは、当時の禅宗の隆盛を示すものと言えるでしょう。

諸山の影響

諸山は、禅宗文化の発展に大きな影響を与えました。諸山に指定された寺院は、文化の中心地となり、多くの僧侶や文化人が集まるようになりました。また、諸山は、各地の文化交流の拠点ともなり、その影響は、後の日本の文化にも深く根付いています。

参考文献

和漢禅刹次第
和漢五山志
* 扶桑五山記

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