讃岐神社

讃岐神社

讃岐神社（さぬきじんじゃ）は、奈良県北葛城郡広陵町三吉に位置する神社です。この神社は、古くからこの地に鎮座し、式内社として歴史に名を刻んでいます。かつては村社として地域の人々に崇敬されてきました。

竹取物語との関わり

讃岐神社は、日本最古の物語とされる『竹取物語』に登場する「竹取の翁」が「讃岐造（さぬきのみやつこ）」と名乗ることから、物語の舞台となった地であるという説があります。この説では、「讃岐造」とは、大和国広瀬郡散吉郷（現在の広陵町三吉）に住んでいた人物を指すとされています。物語と歴史が交錯するロマンあふれる神社として知られています。

祭神

現在の祭神は、大国魂命（おおくにたまのみこと）、若宇加能売命（わかうかのめのみこと）、大物主命（おおものぬしのみこと）です。しかし、『日本三代実録』には、元慶7年（883年）に「散吉大建命（さぬきおおたけのみこと）・散吉伊能城神（さぬきいのきの神）」に神階が授けられたという記録があり、これらが当社の神であると考えられています。このことから、古くは別の神々が祀られていた可能性も示唆されています。

歴史

鎮座地の「三吉」という地名は、「みつよし」と読みますが、かつては「散吉」と書いて「さぬき」と読まれていました。この地域には、讃岐国から移り住んだ斎部氏が住んでおり、故郷の神を勧請して創建したと伝えられています。延喜式神名帳には、「大和国広瀬郡 讃岐神社」と記載され、小社に列せられています。

また、広瀬川合（現在の廣瀬大社）の若宇加乃売命を勧請したことにより、江戸時代までは「広瀬大明神」や「南川合明神」と呼ばれていました。慶長19年（1611年）に火災に見舞われ、現在の本殿はその後に再建されたものです。

境内

[境内写真1]
[境内写真2]
[境内写真3]

竹取物語の舞台としての讃岐神社

『竹取物語』の舞台については諸説ありますが、この奈良県北葛城郡広陵町が有力な候補地の一つとされています。

その根拠として以下の点が挙げられます。

物語に登場する「竹取の翁」の名前が「讃岐造（さぬきのみやつこ）」であること。物語の冒頭で翁は「名をば讃岐造（さぬきのみやつこ）となむいいける」と名乗っています。
翁の住んでいたとされる場所が、大和国の「散吉（さぬき）」という地方であったこと。
平安時代に編纂された「延喜式」に記載されている讃岐神社の場所が、大和国広瀬郡散吉郷とされており、現在の広陵町三吉であると考えられること。

これらのことから、讃岐神社のある広陵町一帯が、『竹取物語』の舞台となった有力な候補地の一つと考えられています。

ロケ地としての活用

讃岐神社は、映画「天使のいる図書館」のロケ地の一つとしても選ばれました。この映画は、奈良県の葛城地域を舞台にした作品で、主演は小芝風花さん、共演は横浜流星さんです。

脚注

[参考文献]

関連項目

馬見古墳群

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