谷伍平

谷伍平（たに ごへい）

谷伍平は、1916年（大正5年）10月1日に生まれ、2007年（平成19年）6月20日に90歳で没した日本の政治家、官僚です。福岡県直方市出身で、北九州市長を1967年から1987年まで5期20年務めました。

生い立ちと経歴

旧制福岡高等学校を経て東京帝国大学法学部を卒業後、鉄道省に入省しました。その後、1939年（昭和14年）に短期現役海軍主計科士官を志願し、海軍経理学校で学び、海軍主計中尉に任官。伊勢、古鷹、八重山、東港海軍航空隊などで主計長を歴任し、1941年（昭和16年）に主計大尉に昇進、1942年（昭和17年）に予備役となりました。

戦後は、日本国有鉄道門司鉄道管理局長、東海道新幹線支社長などを務め、1967年（昭和42年）に北九州市長選挙に自民党・民社党の推薦を受けて立候補し、当選。革新系の現職市長を破り、5期20年にわたり北九州市長を務めました。

北九州市長としての業績

谷市長の時代は、北九州市が産業構造の変化に伴う経済低迷に苦しんだ時期でしたが、彼は公害の克服、都市インフラの整備、財政再建といった課題に積極的に取り組みました。これらの課題は、後任の末吉興一市長にも引き継がれ、継続して取り組まれました。

特に、谷市長は生活保護の不正受給に強い憤りを感じ、「生活保護は人を駄目にする」という持論を持っていました。そのため、生活保護の受給基準を厳格化し、いわゆる「水際作戦」と呼ばれる状態を徹底して維持しました。この方針もまた、末吉市長に引き継がれました。

その他

在任中には、北九州土地転がし事件に関連して市民団体から告発されましたが、嫌疑不十分で不起訴となり、その後も再選を果たしています。

2007年（平成19年）6月20日、急性肺炎のため北九州市内の病院で死去しました。

参考文献

『海軍主計科士官物語〈短現総覧〉』浴恩出版会、1968年。

関連項目

北九州土地転がし事件

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