谷口山古墳

谷口山古墳の紹介

谷口山古墳は、栃木県宇都宮市の長岡町にある円墳です。直径が約29メートル、高さは3.6メートルと推定され、周囲には幅が約0.5メートルから1.1メートル、深さが約0.6メートルの周溝が存在します。この古墳は、駐車場の建設工事中に偶然発見されたため、元々の墳丘は大きく削られてしまっています。

古墳には横穴式石室があり、発見当初は未開口の状態でした。このため、出土した遺骨や副葬品は、埋葬時の状態をよく保っていたとされています。この特性から、谷口山古墳は重要な考古学的遺跡と見なされています。2021年時点では、石室が一般に公開されています。

出土した遺物

谷口山古墳からは、以下のような貴重な出土品が見つかりました：

• - 人骨3体分
• - 直刀3口
• - 鉄鏃3本
• - 耳環3個
• - ガラス小玉147個
• - 馬具轡片1個

これらの出土品から、谷口山古墳の築造年代は古墳時代後期とされ、具体的には6世紀の後半に当たると考えられています。

発見と発掘の経緯

古墳は1991年2月の下旬に発見されました。その際、宇都宮市教育委員会文化課が墳丘や石室の調査を行うことを決定し、調査はすぐに始まりました。2月25日には墳丘の測量を行い、4月からの調査中止を挟んで、6月1日には現地説明会も開催されました。調査は7月8日をもって終了しました。

初めは駐車場として利用される予定でしたが、地権者の協力により古墳は保存されることになりました。地権者は発見の際の感動を『広報うつのみや』に寄稿し、古墳の歴史的価値を強調しました。遺物の鑑定後、谷口山古墳は1991年11月27日付けで宇都宮市の指定文化財（史跡）に指定されました。特に横穴式石室が未盗掘であり、遺物の保存状態が良好だった点が評価されたのです。

周辺環境

谷口山古墳は、宇都宮市北部の宇都宮丘陵の南側、戸祭山の北側に位置しています。周辺にはこの古墳の他にも、戸祭大塚古墳や北山古墳群、瓦塚古墳群、長岡百穴古墳といった多くの古代の古墳が点在しています。さらに、奈良時代の水道山瓦窯跡も近くにあり、歴史的な遺跡が豊富です。周辺には「豊郷まほろばの道」と呼ばれる散策路も整備されており、歴史散策に訪れる人々にとって魅力的なスポットです。

アクセス方法

谷口山古墳へのアクセスは、公共交通機関や自動車を利用することができます。路線バスは、JR宇都宮駅の西口から関東バスの「帝京大学・宇都宮美術館行き」や「ニュー富士見行き」に乗車し、「緑ケ丘入口」で下車後、徒歩約5分の距離です。また、他の行き先のバスも利用可能で、いずれも便利です。自動車の場合は、国道119号から長岡町交差点を北進し約5分、または田原街道を経て関堀町北交差点から西進する方法が一般的です。

このように谷口山古墳は、歴史と文化が融合する地域に位置し、その重要性を今もなお示し続けています。

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