谷時中

谷時中（たに じちゅう）

谷時中（1598年/1599年 - 1650年）は、江戸時代前期に活躍した儒学者です。名は素有、通称は大學・三郎右衛門、別号を鈍斎と称しました。儒学者である谷一斎は子にあたります。

生涯

谷時中は、慶長3年または4年に土佐国甲浦（現在の高知県東部）に生まれました。同じ高知出身の谷秦山（谷干城の祖先）ほど一般には知られておらず、顕彰される機会も多くありません。

若い頃は真常寺（浄土真宗）に入り、慈沖と名乗っていましたが、仏道だけでなく中国の古典にも親しみました。その後、土佐吉良宣経に仕えた南村梅軒から朱子学を学び還俗し、時中と号しました。南村梅軒は南学派朱子学の祖とされています。

高知で儒学を講じましたが、藩に仕えることなく、生涯を在野で過ごしました。その門下からは、野中兼山、山崎闇斎、小倉三省など、後世に名を残す多くの人物が輩出されました。

慶安2年12月29日（1650年1月31日）に亡くなり、墓所は高知市横浜東町11にある清川神社にあります。この墓所は、高知県指定の史跡となっています。

大正4年（1915年）には、その功績が認められ、従四位が追贈されました。

人物

逸話

2代土佐藩主である山内忠義が瀬戸を巡行した際、日が暮れたために真常寺の境内を通過しようとしたところ、谷時中は「ここは寺域である。官道を通られたい」と進言したという逸話が残っています。この逸話から、彼の律儀で正義感の強い性格が窺えます。

また、高知市横浜で新田開発を行い、その新田を子の谷一斎のために播磨屋に売却したと伝えられています。

参考文献

山根三芳『谷時中・谷秦山　叢書・日本の思想家』明徳出版社、2015年

関連項目

儒学
朱子学

外部リンク

高知市生涯学習課
文化財情報　谷時中墓　高知市公式ホームページ
土佐の歴史散歩
* 谷時中の墓(清川神社)

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