豊川電気

豊川電気株式会社の歴史と事業展開

豊川電気株式会社は、大正から昭和の時代にかけて愛知県北設楽郡設楽町を中心に電力を供給していた企業です。この会社は、1917年に田口電灯合名会社が開業したことに始まり、その後三河木材電気部を経て、1924年に豊川電気株式会社として設立されました。

田口電灯の誕生

豊川電気の前身は、1909年に豊橋市の豊橋電気が南設楽郡作手村に設置した発電所から始まります。この電気供給の開始は奥三河地域において初めてのものであり、その後、1914年には田口町の田口電灯が正式に電気事業の許可を取得します。田口電灯は、農村の生活を支えるために、田口町やその周辺地域に電力を供給し始めました。

三河木材電気部への変更

1919年に田口電灯合名会社は「三河木材株式会社」と合併し、三河木材電気部として新たな事業を展開し始めました。この時、関谷守男が社長を務め、多くの地元の役員が参与する形で運営されました。供給エリアは段階的に拡大し、数年後には南設楽郡や北設楽郡においても電気を届けるようになります。

豊川電気の設立

1924年、豊川電気株式会社としての新たなスタートが切られ、三河木材電気部からの事業譲渡を受ける形で運営が開始されました。社長には武田賢治が就任し、企業は次第に成長を遂げていきます。特に、周辺の地域との提携を強化し、電力供給の安定化に努めたことが功を奏しました。

中央電力への統合

1938年、豊川電気は中央電力に統合されることになり、この結果豊川電気は解散に至ります。この統合は、当時の電力政策の流れに乗ったものであり、経済合理性を追求するために行われたものでした。統合後は周辺の小規模事業者を次々に吸収し、電力供給の効率化が図られました。

発電所と供給地域

豊川電気が運営していた大名倉発電所は、北設楽郡名倉村に位置し、同社の電力の源として機能しました。この発電所は、設立当初は30キロワットの出力を持ちましたが、時間の経過とともにその出力は80キロワットへと増強されました。最終的に、1937年には愛知県内の6つの町村に電力を供給していました。

まとめ

豊川電気株式会社の歴史は、地域の電気事業の発展に寄与した重要な一ページです。小さな電力供給の始まりから大きな統合に至るまで、地域の経済と密接に関わり合ってきたことを考えると、その影響は今でも感じられます。事業を通じて得られた教訓や地域の電力供給の歴史は、今後の電力事業の発展にも繋がっていくでしょう。

もう一度検索