豊田憲司

豊田憲司：不屈の魂でマウンドを駆け抜けた男

豊田憲司（とよた けんじ）は、1947年8月1日、広島県に生を受けた。彼の野球人生は、決して平坦な道のりではなかったが、その不屈の精神と努力で、プロ野球選手としての夢を掴んだ。

高校時代：甲子園への挑戦

豊田は、私立呉港高校に進学し、エースとして活躍。1965年の夏の甲子園県予選では、準々決勝まで駒を進めた。しかし、河本和昭投手を擁する強豪・広陵高校との激戦の末、延長14回サヨナラ負けを喫し、甲子園への切符を手にすることはできなかった。

同年のドラフト会議で阪急ブレーブスから5位指名を受けるも、プロ入りを拒否し、芝浦工業大学へ進学した。

大学・社会人時代：成長と飛躍

芝浦工業大学では、1年上の池田善吾と共に投の主軸として活躍。東都大学野球リーグにおいて、1968年秋季リーグでの優勝に大きく貢献した。大学同期には、後にプロ野球選手となる河村健一郎（捕手）や、片岡新之介（中退）らがいた。

大学卒業後は、いすゞ自動車に入社し、社会人野球の道へ進む。1971年の都市対抗野球大会に出場し、1回戦で松下電器の福間納と投げ合い、見事完投勝利を収めた。2回戦では三菱自動車京都に敗れたものの、その実力を十分に示した。チームメイトには、原田俊治（日本コロムビアから補強）や永尾泰憲らがいた。

プロ野球：短いながらも濃密な時間

1971年ドラフト会議で、西鉄ライオンズから5位指名を受け、念願のプロ入りを果たす。1972年には、21試合に登板し、初先発も経験したが、満足のいく結果を残すことはできなかった。1973年、現役引退を決意。

現役生活は短かったものの、スリークォーターから繰り出す重いストレートとシュートを武器に、ライオンズの投手陣の一角を担った。

プレースタイル

豊田の持ち味は、スリークォーターから投げ込む、威力のあるストレートとシュート。打者の手元で微妙に変化する球筋は、多くの打者を苦しめた。

詳細情報

年度別投手成績

(省略)

記録

初登板：1972年4月16日、対近鉄バファローズ2回戦（藤井寺球場）、4回裏から2番手で救援登板、1回無失点
初先発登板：1972年7月30日、対南海ホークス19回戦（北九州市営小倉球場）、3回5失点（自責点4）で敗戦投手

背番号

* 29 （1972年 - 1973年）

豊田憲司の野球人生は、決して華々しいものではなかったかもしれない。しかし、彼は常に前向きな姿勢を崩さず、自らの力を信じて努力を続けた。その姿は、多くの人々に勇気と希望を与えてくれる。

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