豊田車両センター

豊田車両センターは、東京都日野市東平山に位置するJR東日本の車両基地です。首都圏本部の管轄下にあり、中央本線（中央線快速）の車両基地として重要な役割を担っています。武蔵小金井派出所と立川派出所を傘下に持ち、車両の検査、修繕、留置などを行っています。

概要

豊田車両センターは、中央本線豊田駅の西側に位置し、同駅を介して車両の出入りが行われます。中央緩行線の複々線化に伴う車両数増加に対応するため新設されました。この車両基地の用地は、戦時中に国鉄が車両工場を移転するために取得しましたが、実際には工場移転は行われず、野球場や寄宿舎として利用されていた場所です。

武蔵小金井派出所

武蔵小金井派出所は、中央快速線の輸送力増強に対応するため、1955年に三鷹電車区武蔵小金井派出として発足しました。その後、1959年に武蔵小金井電車区として独立しましたが、2004年に配置車両は豊田電車区に転属となり、現在は車両無配置となっています。武蔵小金井駅西側に位置し、同駅を介して車両の出入りが行われます。

敷地面積：45,623 m2
収容車両数：約200両

立川派出所

立川派出所は、立川駅に常駐し、主に同駅発着の列車に対して軽微な修繕や状態確認、人身事故時の車両確認などを行っています。豊田車両センターの出先機関として、同センター所属の社員が業務を担当しています。

歴史

1962年：電車区の建設工事に着手。
1963年 11月24日：40両収容の豊田駅電留線として使用開始。
1965年 10月1日：260両収容の武蔵小金井電車区豊田派出となる。
1966年 11月10日：460両収容の豊田電車区が発足。当時は東洋一の規模を誇り、主に中央線、青梅線、五日市線の車両を担当。後に武蔵野線、相模線の車両も担当しました。当時の略号は「東トタ」。
1969年 3月1日：東京鉄道管理局が分割され、東京西鉄道管理局が設置。略号は「西トタ」。
1971年 2月1日：青梅電車区の検修業務廃止に伴い、青梅線用車両が移管。
1974年12月ごろ：橋本派出所が暫定完成。
1975年 3月10日：橋本派出所を正式に使用開始。
1979年：橋本派出所の線路が増設され、11線となる。
1987年 4月1日：国鉄分割民営化に伴い、JR東日本が継承。管轄は東京西鉄道管理局から東京圏運行本部、東京地域本社へと移管。略号は「東トタ」。
1996年12月1日：横浜支社発足に伴い、相模線の車両を国府津電車区へ、橋本派出所を大船電車区へ移管。
1998年 4月1日：八王子支社発足に伴い同支社に移管。略号は「八トタ」。
2004年3月13日：武蔵野線の車両を京葉車両センターに移管。同時に武蔵小金井電車区所属の中央線快速用車両の移管を受け、中央線快速で唯一の車両基地となる。
2007年 11月25日：豊田車両センターに改称。運転士は豊田運輸区に移管。併せて武蔵小金井電車区を豊田車両センター武蔵小金井派出所へ改称。

配置車両の略号

「都トタ」：東日本旅客鉄道首都圏本部を意味する「都」と、豊田を意味する「トタ」から構成されます。武蔵小金井電車区は「西ムコ」→「東ムコ」→「八ムコ」と略称されていました。

現在の配置車両

豊田車両センターには、中央線快速、青梅線、五日市線用の通勤形電車が配置されています。

E233系電車

692両が配置されています。
T編成43本、H編成17本、青梅・五日市線用の4両編成8本と6両編成10本が配置されています。
中央線、青梅線、五日市線の各駅停車、快速、中央特快、青梅特快、通勤快速、通勤特快で使用される他、中央線の直通列車として富士急行線でも使用されます。
201系の置き換え用として、2006年から2008年にかけて導入されました。
2020年6月12日にはT71編成が増備されました。
2022年3月12日改正で八高線での運用が、2023年3月18日改正でH編成の青梅線青梅以西・五日市線での運用が終了しました。

209系電車

1000番台の10両編成2本が配置されています。
主に中央線で使用されます。
E233系改造工事中の車両不足を補うために、常磐緩行線用の209系が転属してきました。

201系電車

1両（クハ201-1）が保留車として配置されています。
イベントなどで展示されることがあります。

過去の配置車両

旧豊田電車区・豊田車両センター

中央線快速

101系、103系、201系が配置されていました。
E233系導入に伴い、201系は全廃されました。

青梅線・五日市線

30系、31系、40系、50系、72系、103系、201系が配置されていました。

武蔵野線

101系1000番台、103系、205系が配置されていました。
2004年のダイヤ改正で京葉車両センターに移管されました。

相模線

205系500番台が配置されていました。
1996年に国府津電車区に移管されました。

中央本線

115系M編成が配置されていました。2014年に211系に置き換えられました。
189系M50編成は、特急「あずさ」などで使用されていた車両です。2018年1月に廃車となりました。
189系M51・M52編成は、団体・臨時列車で使用されていましたが、2018年4月に運用を終了しました。

貨車

ホキ800形が配置されていましたが、2018年12月に全車廃車となりました。

事業用車

クモヤ145形が配置されていましたが、2012年に廃車となりました。

旧武蔵小金井電車区

中央線快速用の101系、201系が配置されていました。
下河原線用のクモハ40が配置されていました。

他所属車の留置

豊田車両センターには、京葉車両センターや長野総合車両センター、松本車両センター、鎌倉車両センター所属の車両が留置されることもあります。また、臨時列車や団体列車の運転に備えて、他の車両基地の車両が留置されることも多いです。

脚注

注釈

出典

参考文献

祖田圭介「特集：短絡線ミステリー8　首都圏・関西圏JR通勤電車の車両基地 ●中央線（4）豊田電車区」『鉄道ファン　2006年1月号』
結解学「シリーズ車両基地 vol.48　JR東日本豊田車両センター」『鉄道ダイヤ情報 №406』
ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』各年冬・夏号
鉄道ファン編集部『鉄道ファン』各年 JR旅客会社の車両配置表（別冊付録も含む）
鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』特集「201系・203系電車」内「中央線電車区ものがたり」

関連項目

日本の車両基地一覧

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