豊竹呂太夫

豊竹呂太夫（とよたけ ろだゆう）は、義太夫節の太夫の名跡です。各世代の呂太夫について解説します。

初代 豊竹呂太夫

初代呂太夫（天保14年（1843年） - 明治40年（1907年）3月30日）は、本名を上西吉兵衛といいました。父は大阪天満で薬を商っており、その次男として生まれました。そのため、後世「はらはら屋の呂太夫」と呼ばれました。

もとは素人浄瑠璃出身で、1874年に初代豊竹古靱太夫に入門し、呂太夫を名乗りました。生涯改名することはありませんでした。1878年に豊竹古靱太夫が亡くなると、同年12月に5代目豊竹駒太夫の門下となりました。

2代目 豊竹呂太夫

2代目呂太夫（安政4年1月29日（1857年2月23日） - 昭和5年（1930年）9月26日）は、本名を堀卯兵衛といい、大阪市の生まれです。1875年に初代豊竹古靱太夫に入門し、十九太夫を名乗りました。1876年に初舞台を踏み、1877年に初代呂太夫の門下で呂勢太夫、1883年に新呂太夫、1896年に祖太夫を経て、1907年に2代目呂太夫を襲名しました。

3代目 豊竹呂太夫

3代目呂太夫は、後の10代目豊竹若太夫です。

4代目 豊竹呂太夫

4代目呂太夫は、後の8代目豊竹嶋太夫です。

5代目 豊竹呂太夫

5代目呂太夫（昭和20年（1945年）7月28日 - 平成12年（2000年）9月9日）は、本名を青木正といい、群馬県前橋市の生まれです。1967年に立教大学文学部を卒業しました。1952年に10代目豊竹若太夫に入門し、豊竹若子太夫を名乗りました。1954年に初舞台を踏み、1967年に師の若太夫が亡くなったため、3代目竹本春子太夫門下に移りました。同年に5代目呂太夫を襲名し、1974年に再度、師の春子太夫が亡くなったため、4代目竹本越路太夫門下に移りました。

東京で文楽の会を積極的に行い、1977年に大阪府民劇場奨励賞、1979年に芸術選奨文部大臣新人賞、1981年に国立劇場文楽賞奨励賞、1988年に松尾芸能賞優秀賞を受賞しました。また、1987年、1988年に京都市芸術新人賞、1985年、1987年、1988年、1989年に国立劇場文楽賞優秀賞を受賞しました。

6代目 豊竹呂太夫

6代目呂太夫（昭和22年（1947年）4月16日 - ）は、本名を林雄治といい、大阪府泉北郡山滝村（現 岸和田市）の生まれ（住まいは大阪市住吉区）です。祖父は10代目豊竹若太夫（3代目豊竹呂太夫）にあたります。1967年に3代目竹本春子太夫に入門し内弟子となり、祖父の幼名である英太夫を3代目豊竹英太夫として名乗りました。1968年4月に毎日ホールで「戻り橋」左源太の役にて初舞台を踏み、1969年に師の春子太夫が亡くなったため、4代目竹本越路太夫に入門して内弟子となりました。2017年4月に六代豊竹呂太夫を襲名し、襲名披露狂言は『菅原伝授手習鑑』「寺子屋の段」でした。

2017年に第47回JXTG音楽賞（現 ENEOS音楽賞）邦楽部門、2003年及び2018年に国立劇場文楽賞文楽優秀賞、2019年に第54回大阪市市民表彰を受賞。2022年には文化庁長官表彰を受けています。

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