宇佐美勝夫

宇佐美勝夫

宇佐美勝夫（うさみ かつお、1869年6月21日 - 1942年12月26日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の内務官僚、政治家です。幼名は慎平といいました。

生い立ちと学歴

山形県士族の宇佐美駿太郎の弟として生まれ、米沢藩士であった宇佐美勝作の次男として育ちました。米沢中学、第一高等学校を経て、1896年7月に帝国大学法科大学政治学科を卒業しました。幼少期から優秀で、将来を嘱望されていました。

内務官僚としてのキャリア

大学卒業後、内務省に入省し、内務属として県治局に配属されました。同年10月には文官高等試験に合格し、その能力を早くから認められました。その後、徳島県参事官を皮切りに、京都府参事官、内務書記官、宗教局第一課長兼第二課長、大臣官房文書課長、内務省参事官などを歴任しました。これらの役職を通して、地方行政や宗教政策など、多岐にわたる分野で手腕を発揮しました。

富山県知事から朝鮮半島へ

1908年3月には富山県知事に就任し、地方行政のトップとして県政を担いました。1910年6月に退任後、統監府参与官として朝鮮半島に渡り、その後、韓国政府内務次官、朝鮮総督府内務部長官、同府土木局長などを歴任し、朝鮮半島における行政にも深く関わりました。彼の行政手腕は、ここでも大いに発揮されました。

東京府知事、そして晩年

1921年5月には東京府知事に就任し、首都の行政を統括しました。1925年9月に退任後は、賞勲局総裁、資源局長官を経て、1933年2月には満州国国務顧問に就任しました。1934年7月には貴族院勅選議員に任じられ、同和会に所属し、死去するまでその職を務めました。その他、維新史料編纂会委員、国家総動員審議会委員なども務め、日本の政治、行政に貢献し続けました。

家族と親族

宇佐美勝夫は、池田成章の三女よし（芳子）と結婚し、四人の子をもうけましたが、死別しました。その後、成章の次女みつ（光子）と再婚するも、彼女も病死しました。その後、四谷トクを後妻に迎え、一子をもうけました。

義兄には日銀総裁を務めた池田成彬、義弟には三菱銀行頭取を務めた加藤武男がおり、妻の姪は三菱財閥の重鎮である岩崎久弥の次男に嫁ぐなど、財界にも縁戚関係がありました。

栄典

宇佐美勝夫は、その功績により、正三位、従二位の位階を授けられました。また、勲四等瑞宝章、勲三等旭日中綬章、韓国併合記念章、大礼記念章、勲一等旭日大綬章など、数々の勲章を受章しました。

死去

宇佐美勝夫は1942年12月26日に死去しました。墓所は青山霊園にあります。

参考文献

故宇佐美勝夫氏記念会『宇佐美勝夫氏之追憶録』故宇佐美勝夫氏記念会、1943年。
『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
秦郁彦編『日本近現代人物履歴事典』東京大学出版会、2002年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』1990年。

外部リンク

宇佐美氏系譜
米沢商工会議所　歴史と文化－行政

宇佐美勝夫は、その長いキャリアを通じて、地方行政から国政、そして海外での行政まで、幅広い分野で活躍しました。彼の功績は、日本の近代化に大きく貢献したと言えるでしょう。

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