赤坂宿 (中山道)

美濃路の宿場町、赤坂宿

赤坂宿は、中山道六十九次のうち、江戸から数えて56番目の宿場町として、美濃国不破郡赤坂村（現在の岐阜県大垣市）に位置していました。美江寺宿と垂井宿の間という地の利を生かし、多くの旅人で賑わいました。

歴史

赤坂宿は、中世の文学作品にもその名が登場します。源義朝の身代わりとなった佐渡式部大輔重成（源重成）が、この地の北にある子安の森で討ち死にしたという悲しい出来事が、『平治物語』などに記されています。

江戸時代には大垣藩の領地となり、1843年には1129人の人々が暮らし、292軒の家が軒を連ねていました。宿場には本陣、脇本陣、そして17軒の旅籠が設けられ、旅人をもてなしました。

石灰と大理石の産地

赤坂は、金生山から採掘される石灰岩と大理石が豊富な土地でもあります。江戸時代から石灰工業が盛んで、当初は肥料として利用されていましたが、現在では鉄鋼業に欠かせない資源となっています。また、大理石加工業も全国的に知られており、明治時代には洋風建築の装飾用材として重宝されました。

赤坂宿の見どころ

赤坂宿には、歴史を感じさせる数多くの史跡や見どころが点在しています。

赤坂港跡: 杭瀬川の川湊として栄えた場所で、現在は大垣市赤坂港会館となっています。
本陣跡: 和宮親子内親王碑や所郁太郎銅像が建てられています。
「左たにくみ道」道標: 江戸時代の道標が今も残っています。
脇本陣跡: かつての脇本陣の面影を偲ぶことができます。
お茶屋屋敷跡: 休憩所として利用されたお茶屋の跡地です。
旧清水家住宅: 大垣市指定重要文化財に指定されている歴史的な建造物です。
増田家住宅（お嫁入り普請探訪館）: 江戸時代の建築様式を今に伝える建物で、内部を見学できます。
矢橋家住宅: 金生山で採掘された白大理石を使って建てられた邸宅で、国の登録有形文化財に指定されています。昭和天皇と上皇の行幸があった場所としても知られています。



昼飯町如来寺
照手姫水汲井戸
青野一里塚跡
美濃国分寺跡

アクセス

JR東海道本線（美濃赤坂線）美濃赤坂駅下車
養老鉄道養老線東赤坂駅下車、徒歩
* 大垣駅から名阪近鉄バス赤坂線「消防赤坂分署」行き

周辺情報

赤坂宿の隣には、美江寺宿と垂井宿があります。これらの宿場町も合わせて訪れることで、中山道の歴史をより深く感じることができるでしょう。

毎年11月初旬には、本陣公園を中心に「中山道赤坂宿まつり」が開催され、「皇女和宮と姫行列」が街を彩ります。

赤坂宿は、東海道にも同名の宿場（現、愛知県豊川市赤坂町）があるので注意が必要です。

赤坂宿を訪れ、歴史と文化に触れてみてください。

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