赤岩駅 (福島県)

赤岩駅の歴史とその運命

赤岩駅（あかいわえき）は、かつて福島県福島市大笹生字赤岩に存在した東日本旅客鉄道（JR東日本）奥羽本線の駅です。この駅は「山形線」の呼称区間にあったものの、2016年12月1日以降、全列車が通過し、2021年3月12日に廃駅となりました。以下に赤岩駅の歴史や周辺の状況について詳述します。

駅の開設と事故

赤岩駅は1899年5月15日に逓信省奥羽南線が開通する際、赤岩信号場として設立されました。その後1909年には煙害による列車の脱線転覆事故が発生し、これはその後の復旧作業においても記憶されることとなります。

信号場は1910年に崩落した7号トンネルの影響を受け、仮の乗降場が設けられるなど、周到な修復作業が進められました。その後、1911年には新ルートが完成し信号場は赤岩駅として一般客の取り扱いを開始しました。

無人駅化と運行の変化

赤岩駅は1984年まで有人駅として運営されていましたが、その後無人駅に変更され、1987年にはJR東日本の駅として新たなスタートを切りました。1990年には山形新幹線が開通し、改軌工事が行われたことで、駅は現在の位置に移設されました。

しかし、2012年からは冬季間の利用実績がほとんどないことから、12月から翌年3月まで全列車が通過する状況となり、2017年には「通年通過駅」として営業休止に至りました。その後、2021年に公式に駅の廃止が発表され、同年3月12日に廃駅となりました。

駅構造と利用状況

赤岩駅は地上駅であり、山形新幹線の改軌前はスイッチバック駅として知られていましたが、改軌後はその構造が変更されました。無人駅となったことで、利用促進の見込みがないことが廃止の一因とされました。2020年度の時点では1日平均の乗車人員は0人という状況で、駅の存続が難しいことが明らかでした。

駅周辺の状況

赤岩駅は松川の直下に位置しており、周辺にはかつての集落があったものの、1980年代には無人集落が相次いで現れました。駅の西側には大平集落があったものの、人口は減少し限界集落化しています。

かつて駅は米沢街道との連絡ポイントとして重要でしたが、周囲の過疎化が進む中で、その役割を果たすことができなくなり、さらに圏外との交通手段も貧弱なため、外部との接触がほとんどなくなってしまいました。

終焉とその遺産

赤岩駅の廃止は、地域の過疎化と利用者の減少、交通の不便さが主な要因でした。今ではその跡地には過去の面影すら残らず、周りには自然が広がり、かつての集落の神秘が新たな形で別れを告げています。赤岩駅の歴史は、地域の人々の記憶の中で大切に受け継がれていくことでしょう。

赤岩駅の思い出は消え去ってしまったかもしれませんが、駅が存在していた土地には、かつての賑わいや人々の生活があったことを忘れてはなりません。

もう一度検索