赤沼多佳

赤沼多佳（1943年 - ）は、陶磁器研究家として知られています。新潟県長岡市に生まれ、裏千家茶道研修所を卒業後、茶陶の研究に足を踏み入れました。彼女の学術的なキャリアは、東京国立博物館陶磁室での調査員としての経験から始まり、その後、1979年には茶道資料館の開設時に学芸部長に就任し、その専門知識と見識を活かしました。現在は三井記念美術館にて参事を務めています。

専門は茶の湯、特に茶の湯で使用される東洋陶磁器の研究です。彼女の研究は、単なる陶磁器の歴史や製法に留まらず、茶の湯という文化における陶磁器の役割や美学にまで及んでいます。その研究成果は、数多くの著書や論文として発表されており、陶磁器研究の分野において重要な貢献をしています。

主な著書としては、以下のようなものがあります。

『陶磁大系 18 光悦・道入』平凡社 1977
『茶碗の見方』主婦の友社 茶の湯案内シリーズ 1986
『日本陶磁大系 第18巻 光悦・道入・玉水・大樋』平凡社 1990
『花入・水指』主婦の友社 茶の湯案内シリーズ 1996

また、共編著としては、

『楽と京焼』中ノ堂一信共編著 講談社 やきもの名鑑 1999
『朝鮮の陶磁』伊藤郁太郎,片山まび共編著 講談社 やきもの名鑑 2000
『茶道美術手帳』村井康彦,筒井紘一共編 淡交社 1987
『茶陶の美 茶の湯のやきもの』全3巻 構成 淡交社 2004
* 『もっと知りたい本阿弥光悦 生涯と作品』玉蟲敏子,内田篤呉共著 東京美術 アート・ビギナーズ・コレクション　2015

などがあります。これらの著作は、陶磁器研究者だけでなく、茶道に関心のある人々にとっても貴重な資料となっています。特に、光悦や道入といった著名な陶芸家に関する研究は、彼女の専門性の高さを物語っています。

赤沼多佳は、陶磁器研究を通じて、日本の伝統文化の理解を深め、その魅力を広く伝えることに貢献しています。その功績は、今後の陶磁器研究においても、重要な礎となるでしょう。

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