赤目一志峡県立自然公園

赤目一志峡県立自然公園

赤目一志峡県立自然公園は、三重県中部に位置する県立自然公園です。雲出川と名張川の上流部にあたり、その総面積は22,043ヘクタールに及びます。公園の大部分は津市（旧美杉村）に属し、豊かな自然と美しい景観が特徴です。年間を通じて多くの観光客が訪れ、その数は2013年には17万2千人に達しました。

歴史

この公園は、1948年（昭和23年）10月14日に赤目一志峡県立自然公園として指定されました。その後、1967年（昭和42年）8月には公園の拡張が行われ、現在の広大な面積となりました。1970年（昭和45年）には、園内の一部である室生火山群・高見山地・一志峡谷の中央部が室生赤目青山国定公園に移管されました。この国定公園は、かつて存在した青山高原県立自然公園と赤目一志峡県立自然公園を再編したもので、国定公園に指定されなかった地域は、県立自然公園として残されました。これは、国定公園の周辺地域を保護する「バッファーゾーン」としての役割を担っていました。同様の事例は全国的に多く、1996年（平成8年）時点で存在した55の国定公園のうち、37の国定公園が都道府県立自然公園から再編されたものでした。

名張市は、エコツーリズム推進法に基づき「名張市エコツーリズム推進全体構想」を策定し、2014年（平成26年）7月9日に環境省から認定を受けました。この構想は、名張市の観光客の約9割が訪れる室生赤目青山国定公園と赤目一志峡県立自然公園を対象としており、環境負荷の軽減を目指しています。また、松阪市においても、「自然保全地区」が園内に設置される予定です。

関係自治体

公園は以下の自治体にまたがっています。

名張市（2,885ha）
津市（17,544ha）：全域が旧美杉村
松阪市（1,614ha）：うち旧松阪市が1,516ha、旧嬉野町が98ha

主な観光地

雲出川上流部（一志峡）: 渓流と奇岩、周囲の森林が織りなす景観が魅力です。アユやアマゴが生息し、渓流釣りが楽しめます。また、オオムラサキ、ムカシトンボ、ギフチョウなどの貴重な昆虫も生息しています。
家城ライン: 白山町家城から雲出川上流3kmの区間。
美杉温泉: 自然に囲まれた温泉地で、リラックスした時間を過ごせます。
JR名松線: 沿線の風景を楽しみながら、のんびりとした列車の旅ができます。
名張川上流部: 落葉広葉樹に囲まれ、秋には美しい紅葉が楽しめます。キノコ狩りも盛んです。
赤目四十八滝: 数々の滝が連なる景勝地で、自然を満喫できます。
香落渓: 紅葉の名所として知られ、秋には多くの観光客が訪れます。
青蓮寺ダム: ダム湖周辺の自然景観が美しく、散策やレクリエーションに最適です。
日神石仏群: 歴史的な石仏が点在し、静寂な雰囲気が漂います。
松阪市西部: 山稜地域には史跡が多く、歴史散策を楽しめます。
堀坂山: 登山コースとしても人気があり、山頂からの眺望は絶景です。
阿射加神社: 歴史ある神社で、地域の信仰を集めています。
阿坂城（白米城）: 戦国時代の城跡で、歴史ファンにはたまらないスポットです。
瑞巌寺: 静かなたたずまいを見せる寺院。
伊勢山上（飯福田寺）: 修験道の霊場として知られ、厳しい自然の中に佇む寺院です。
* 伊勢本街道: 江戸時代に栄えた街道で、歴史的な雰囲気を残しています。



赤目一志峡県立自然公園は、豊かな自然と歴史的な魅力が詰まった、訪れる人々を魅了する場所です。

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