起雲山世志介

起雲山世志介（きうんざん よしすけ）は、1932年1月2日に新潟県古志郡宮内町（現在の長岡市宮内町）で生まれました。本名を小川美輔（おがわ よしすけ）といい、追手風部屋に所属した大相撲力士でした。

19歳の時、元大関・清水川が率いる追手風部屋に入門し、1951年5月場所で初土俵を踏みました。この場所で好成績を収めたため、次の場所では序ノ口を飛び越え、いきなり序二段に昇進しました。四股名は当初から「起雲山」でした。

その後も順調に番付を上げ、1955年1月場所で十両に昇進、1956年3月場所で新入幕を果たしました。得意な取り口は左四つからの上手投げや吊りで、時折外掛けも見せていました。しかし、勝ち身が遅く、幕内上位への進出は叶いませんでした。

1957年夏には、2度にわたる「失踪騒動」を起こしました。最初の失踪の際は故郷の長岡市にいることが判明し、同部屋の先輩である清水川明於（最高位・小結）の説得で一旦は東京に戻りました。しかし、間もなく再び失踪し、二度と追手風部屋に戻ることはありませんでした。

同年9月場所後、25歳という若さで廃業を余儀なくされました。現役最後の場所での番付は東十両3枚目でした。1977年6月8日、45歳で亡くなりました。

起雲山の体格は身長180cm、体重81kgでした。得意手は左四つ、吊り、上手投げなどでした。

現役在位は24場所で、通算成績は155勝113敗15休、勝率は.578でした。幕内在位は4場所で、幕内成績は27勝33敗、勝率は.450でした。幕下優勝を1回（1954年1月場所）果たしています。

彼は大相撲力士の一覧、新潟県出身の人物の一覧にも名を連ねています。参考文献としては、『戦後新入幕力士物語 第2巻』（佐竹義惇著、ベースボール・マガジン社発行）の89-90ページに記述があります。

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