超時空要塞マクロス Flash Back 2012

超時空要塞マクロス Flash Back 2012

『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』は、1987年にリリースされた日本のオリジナルビデオアニメ（OVA）で、全体の収録時間は30分です。この作品は、人気アニメ『超時空要塞マクロス』とその劇場版『愛・おぼえていますか』に登場するキャラクター、リン・ミンメイによる歌を中心に構成されています。

概要

1984年の劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』では、エンディングフィルムの制作が実現しなかったため、本作はその幻のコンサートシーンを再現することを目的に作られました。このエンディングシーンには、リン・ミンメイが歌う「天使の絵の具」という曲が含まれる予定でした。特に、アニメとポップ・ミュージックの融合というコンセプトが確立された1980年代を反映した作品であり、ミュージックビデオのスタイルを取り入れています。

この作品は、2012年のコンサートシーンを描いた「天使の絵の具 part1」と、宇宙移民船メガロード-01の発進を展開する「天使の絵の具 part2」の新規作画から構成されています。また、他の8曲にもテレビシリーズや劇場版からの場面が編集されて使用されており、ミキシングも重視されています。長谷有洋や土井美加といったオリジナルの声優陣の新たな録音は行われていないため、音楽が中心となったストーリーが展開されます。

物語は、戦争や恋愛、そして別れを背景に未来への希望を描き出しており、リン・ミンメイが地球でのコンサートツアーを終えた後、厳しい宇宙航海へと旅立つ姿が表現されています。

収録曲目

本作品に収められている楽曲は以下の通りです。

1. 天使の絵の具（part1）
2. SUNSET BEACH
3. 0-G LOVE
4. 小白竜（シャオパイロン）
5. シルバームーン レッドムーン
6. 愛は流れる part2
7. シンデレラ
8. 愛・おぼえていますか
9. 天使の絵の具（part2）
10. ランナー（デュエットバージョン）

各楽曲は、阿佐茜の歌詞や羽田健太郎による作曲・編曲が施され、飯島真理の歌声によって彩られています。

スタッフ

本作の制作には、様々な才能が集まりました。原作はスタジオぬえで、構成を河森正治が担当しています。キャラクターデザインと作画監督は美樹本晴彦が手掛けており、演出には五月女有作が参加しています。音響監督の本田保則とビッグウエストによる企画・製作チームも、作品の完成度を高めるために努力しています。

設定

『愛・おぼえていますか』の本作で描かれるリン・ミンメイの姿や衣装は、過去の設定に基づきながら、新たな解釈が導入されています。ミンメイの多様な表現は「近未来の可能性」を示し、観客がそれぞれの解釈をする余地を持つ形です。また、話の流れは直線的ではなく、観る人によってそれぞれの感情や理解が変化することが意図されています。

音源と映像ソフト

本作ではレコードやCDに未収録のバージョンの楽曲も含まれており、その中には特別なアレンジが施されています。たとえば、「愛は流れる partII」のマーチバージョンが存在し、通常のバージョンとの違いが楽しめます。また、2012年のBlu-ray版発売以降も、多くのファンに支持され続ける作品となっています。

『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』は、アニメと音楽の融合を一層深める魅力的な作品であり、リン・ミンメイの歌を通じてその感動を再体験させてくれる貴重なミュージックビデオです。

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