越中島支線

越中島支線について

越中島支線（えっちゅうじましせん）は、東京都江戸川区の小岩駅から東京都江東区の越中島貨物駅をつなぐ、東日本旅客鉄道（JR東日本）が運営する貨物専用の鉄道路線です。この路線は全線で単線であり、主要な部分は複線分の土地が確保されていますが、その一部は駐車場や公園に転用されています。交通問題の一因ともなっている葛西橋通りや永代通りとの交差点は、踏切による平面交差となっています。

歴史的背景

この路線は1929年（昭和4年）に、亀戸駅から小名木川駅までの運行が始まり、その後越中島駅（現在の越中島貨物駅）への延伸が行われました。かつては東京都港湾局が所有する専用線が豊洲や晴海にまで及んでいた時期もありましたが、貨物需要の低下とともに1997年には定期貨物列車が廃止され、現在では非常に限定的な用途でしか使われていません。

現在の運行状況

越中島支線の現況としては、主に東京レールセンターからの鉄道用レール輸送や資材搬入のための工事列車が運行されています。これらの列車では、過去に使用されていたD51形やDD51形の蒸気機関車、ディーゼル機関車が名を馳せていましたが、現在はキヤE195系気動車が輸送のために運用されています。平日には3往復の列車が運行されている日もありますが、日によっては運休する便も見られます。

路線と運行データ

路線自体は小岩駅から越中島貨物駅までの11.7kmで、途中の新小岩信号場と亀戸間で総武本線と重複しています。全線は非電化で、保安装置としてはATS-SNが設置されており、最高速度は95km/hです。運行の指令は東京総合指令室が担当し、新小岩信号場駅と越中島貨物駅で運転が行われています。

使用車両

運用されている車両は、主にRE10形ディーゼル機関車が中心でしたが、2021年の運行ダイヤ改正により、レール輸送用途としてキヤE195系気動車が新たに加わりました。また、検測用としてキヤE193系気動車が時折運行されることもあります。

過去の車両

かつてはD51形蒸気機関車やDD51形、DE10形のディーゼル機関車などが使用され、その役割には各社への車両輸送も含まれていました。

将来の展望

江東区では亀戸駅から新木場駅間にLRTを走らせる構想があり、住民の高い期待を寄せています。しかし、公的資金の不足や、国道との交差問題など、実現には多くのハードルが存在します。かつては都電砂町線が運行されていた道筋に沿って、公共交通が再び活性化することが期待されています。

まとめ

越中島支線は歴史的に重要な物流路であり、現在はその役割が変化していますが、未来に向けた期待や課題も抱えています。今後の運行や地域の発展にどう寄与していくのかが注目される部分です。

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