趙景達

趙景達（ちょう けいたつ）

プロフィール

趙景達氏は、1954年7月、東京都台東区で生まれました。両親は済州島出身の在日朝鮮人であり、その出自は氏の学問的関心に大きな影響を与えました。中央大学文学部を卒業後、同大学院で修士課程を修了。その後、東京都立大学大学院で博士課程を単位取得退学しました。

研究活動

専門は朝鮮近代史および近代日朝比較思想史であり、特に植民地時代の朝鮮における社会運動や思想動向、日本との比較研究に焦点を当てています。その研究は、歴史的文脈を深く理解し、多角的な視点から分析することで、朝鮮の歴史と文化に対する理解を深めることに貢献しています。

教育活動

1986年に東京都立大学人[[文学部]]助手としてキャリアをスタートさせ、1989年には千葉大学文学部助教授、2000年には同教授に昇格しました。2020年に千葉大学を退職するまで、多くの学生を指導し、次世代の研究者育成に尽力しました。また、国立歴史民俗博物館で客員教授を務めるなど、教育機関に留まらず幅広い活動を展開しました。

さらに、立教大学、東京大学、茨城大学、神田外語大学、明治大学、早稲田大学、東洋大学など、多数の大学で非常勤講師を歴任し、幅広い層への教育普及に貢献しました。

著作

趙景達氏は、多数の著作を通じて研究成果を発表しており、その著書は学術的な価値が高いだけでなく、一般読者にも理解しやすい内容で、広く読まれています。

主な単著

『異端の民衆反乱－東学と甲午農民戦争』（岩波書店、1998年）
『朝鮮民衆運動の展開－士の論理と救済思想』（岩波書店、2002年）
『植民地期朝鮮の知識人と民衆－植民地近代性論批判』（有志舎、2008年）
『近代朝鮮と日本』（岩波新書、2012年）
『植民地朝鮮と日本』（岩波新書、2013年）
『朝鮮の近代思想－日本との比較』（有志舎、2019年）
『近代朝鮮の政治文化と民衆運動―日本との比較』（有志舎、2020年）
『朝鮮民衆の社会史―現代韓国の源流を探る』（岩波新書、2024年）

主な共編著

『二〇世紀を生きた朝鮮人－「在日」から考える』（大和書房、1998年）
『暴力の地平を超えて－歴史学からの挑戦』（青木書店、2004年）
『戦争の時代と社会－日露戦争と現代』（青木書店、2005年）
『アジアの国民国家構想―近代への投企と葛藤』（青木書店、2008年）
『近代日本のなかの「韓国併合」』（東京堂出版、2010年）
『ユーラシアと日本 交流と表象　国民国家の比較史』（有志舎、2010年）
『岩波講座 東アジア近現代通史』（岩波書店、2010-11年）
『「韓国併合」100年を問う』（岩波書店、2011年）
『植民地朝鮮―その現実と解放への道』（東京堂出版、2011年）
『比較史的にみた近世日本－「東アジア化」をめぐって』（東京堂出版、2011年）
『近代日朝関係史』（有志舎、2012年）
『講座東アジアの知識人』（有志舎、2013-14年）
『薩摩・朝鮮陶工村の四百年』（岩波書店、2014年）
『東アジア近現代通史　19世紀から現在まで』（岩波現代全書、2014年）
『儒教的政治思想・文化と東アジアの近代』（有志舎、2018年）
『近代改革をめぐる抗争－甲午農民戦争から大韓帝国まで』（岩波書店、2022年）
『一五年戦争から解放へ－一九三〇年代から解放・分断まで』（岩波書店、2022年）

参考文献

趙景達『植民地朝鮮と日本』（岩波新書、2013年）
* 千葉大学

まとめ

趙景達氏は、在日朝鮮人としての視点と歴史学者としての専門知識を融合させ、朝鮮の歴史と文化に対する深い洞察を提供しています。その研究は、学術界だけでなく、社会全体に大きな影響を与え続けています。

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