跡田川

跡田川について

跡田川（あとだがわ）は、大分県中津市で流れる山国川水系の主要な一級河川です。山国川に流れ込む支流の中では、山移川に次いで規模が大きく、地域住民や観光客からは「琴川」という名前でも知られています。また、西谷川との合流部から上流は東谷川と呼ばれています。

地理的特徴

跡田川は全体を通じて国道500号が沿っており、流域には美しい自然風景や観光名所が数多く存在します。この地域は旧本耶馬渓町に含まれ、跡田川とその支流の周囲は耶馬日田英彦山国定公園に指定されています。1923年に初めて名勝として指定された「耶馬溪」は、現在全66景が存在し、その中には跡田川流域に属する8つの景観があります。

水源は本耶馬溪町東谷の鹿嵐山の南側から始まり、北西に流れます。源流部には「地蔵峠の景」「引水の景」「轟の景」といった自然の美しい景色が広がっており、訪れる人々を魅了しています。落合地区では「耶馬の富士」として知られる木ノ子岳の景観が目の前に広がり、西谷川と合流します。さらに、その先には洞鳴峡という峡谷があり、両側の岩峰が特徴的で、ここではイムイ山の断崖が迫る独特の風景を楽しむことができます。洞鳴峡の景を抜けると、羅漢寺との合流点に到達し、「羅漢寺の景」や「古羅漢の景」が広がります。この周辺には自然歩道や駐車場も整備されており、特に紅葉の季節には多くの観光客が訪れる人気スポットとなります。

河口の曽木地区には、周囲500メートルの中州があり、この場所には道の駅耶馬トピアおよび耶馬溪風物館が整備されています。橋を渡ると山国川に流れ込む姿は、訪れる人々に感動を与えます。

治水の取り組み

1993年には、跡田川を含む山国川流域が台風5号の影響による甚大な被害を受けました。この結果、2003年より河川護岸工事や堤防の築造工事が進められています。山国川は国土交通省の管轄ですが、跡田川は全区間が大分県の管轄であり、県の施策として耶馬橋から耶馬トピアまでの護岸工事が2012年に完了しました。また、2012年の豪雨災害でも大きな影響を受け、2013年度にかけて堤防の復旧工事が行われました。これらの取り組みは、地域の安全を確保するために重要です。

支流と主な橋

跡田川にはいくつかの支流が流れています。これらの支流には、岩ノ迫川、中河内川、引水川、井場ノ原川、川出原川、奥畑川、椿川、寺辺川、西谷川、折元川、船ノ迫川、丸山川、小川内川、荒谷川、町川、水取川、羅漢寺川などが含まれます。

また、流域にはいくつかの主要な橋も存在し、小ヶ倉橋や岩下橋、洞鳴橋などが国道500号に架かっています。これらの橋は地域の交通に欠かせない存在であり、美しい風景を渡る際に訪問者に楽しみを与えています。

このように、跡田川は自然美と観光地が豊かな地域でありながら、安全対策も進められている重要な河川です。

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