車輪配置 2-6-0

車輪配置 2-6-0 機関車の概要

車輪配置「2-6-0」は、先車輪が1軸、動輪が3軸からなる配置で、特にアメリカで「モーガル」として知られています。この形式は1852年に初めて登場しました。当初の先輪は主に車両の重量を分散させる役割を果たしていましたが、メインフレームに直接接続されていたため、横動がなく、非常に基本的なものでした。1860年にボールドウィン社が製造した機関車が、先輪が台車構造を持つ初の2-6-0となります。

この初期のモデルは、先輪が1軸で動輪と連動しないため、脱線しやすいという問題を抱えていました。このため、先輪にイコライザー構造を持たない2軸台車の4-6-0（テンホイラー）の機関車が先行し、安定性の面で評価されていました。この欠点を解消するために、1864年にウィリアム・ハドソンが開発した「先輪と第1動輪をイコライザーで結び、ボギーセンターのように1点で支持する」という方法が採用されると、モーガルの安定性は大幅に向上しました。ですが、動輪がさらに増えた2-8-0（コンソリデーション）が1866年に登場したことで、貨物用機関車はそちらへと移行し、モーガルは牽引力や高速性能で劣位に位置づけられました。

そのため2-6-0は、大規模な輸送に適さないものの、ローカル線や貨客両用の用途では非常に便利な車両とされ、1920年代まで製造が続けられました。特に、日本では九州鉄道の蒸気機関車256両中84両がこの形式に該当し、重要な役割を果たしました。

各国の2-6-0形式の機関車

この車輪配置の機関車は、国を問わず多様な形式が存在します。具体的には、以下のような機関車があります。

• - イギリス

- グレート・ウェスタン鉄道4300形蒸気機関車

• - スイス

- スイス国鉄G3/4形蒸気機関車
- レーティッシュ鉄道G3/4形蒸気機関車
- フルカ・オーバーアルプ鉄道HG3/4形蒸気機関車

• - アメリカ合衆国

- ウォルト・ディズニー・ワールド鉄道2号機「リリーベル号」

• - 日本

- 国鉄7100形蒸気機関車
- 国鉄7170形蒸気機関車
- 国鉄8550形蒸気機関車
- 国鉄8620形蒸気機関車
- 国鉄C50形蒸気機関車
- 国鉄C56形蒸気機関車
- 南海C10001形蒸気機関車

このように、2-6-0形式の機関車はその汎用性や構造から、さまざまな国で利用され続け、多くの鉄道路線で重要な役割を果たしてきました。

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