辻太郎

辻太郎（つじ たろう）は、1869年8月2日（明治2年6月25日）に東京府で生まれ、1944年（昭和19年）1月22日に没した、日本の鉄道技術者、政治家、そして華族の男爵です。

生い立ちと学歴

辻太郎は、文部官僚であった辻新次の長男として生を受けました。工部大学校で学んだ後、1886年にアメリカ合衆国へ留学し、1890年にはローズ工科大学を卒業しました。アメリカでの留学経験は、彼の後の鉄道技術者としてのキャリアに大きな影響を与えたと考えられます。

鉄道技術者としての活躍

1893年以降、辻太郎は逓信省鉄道技師、鉄道技師、逓信技師、鉄道院技師、臨時鉄道国有準備局技師といった様々な役職を歴任し、日本の鉄道技術の発展に貢献しました。また、鉄道会議臨時議員や伊那電車軌道取締役、日本化学製油社長なども務め、多岐にわたる分野でその才能を発揮しました。これらの職務を通じて、彼は鉄道技術者としての専門知識と経験を深め、日本の鉄道網の発展に大きく貢献しました。

貴族院議員としての活動

1915年12月24日、父・新次の死去に伴い家督を相続し、男爵を襲爵しました。その後、1918年3月16日には貴族院男爵議員補欠選挙で選出され、公正会に所属し、その生涯を閉じるまで貴族院議員として活動しました。貴族院では、鉄道技術者としての専門知識を活かし、鉄道政策や技術に関する議論に積極的に参加したと考えられます。

親族

辻太郎の養子には、男爵であり、青木梅三郎の五男である辻周夫がいます。

まとめ

辻太郎は、鉄道技術者として日本の鉄道発展に尽力し、貴族院議員としても社会に貢献した人物でした。彼の業績は、日本の近代化の過程において重要な役割を果たしました。彼の生涯は、技術者、政治家、そして華族という多面的な側面を持ち、日本の近代史を研究する上で貴重な事例を提供しています。

参考文献
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成』下巻、霞会館、1996年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
人事興信所編『人事興信録』第14版 下、1943年。

外部リンク
帝国議会会議録検索システム - 国立国会図書館

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