送り掛け

送り掛け (おくりがけ)

送り掛けは、大相撲における決まり手の一つです。2000年12月に新たな決まり手として制定されました。この技は、相手の背後へ素早く回り込み、自分の足を相手の足に引っ掛けて、相手の体勢を崩し倒すというものです。足を掛ける際、内掛け、外掛けのどちらの形式であるかは問われません。

技の解説

送り掛けは、相手の体勢が崩れた瞬間に、背後から足を掛けて一気に勝負を決める高度な技術を要します。相手の動きをよく見て、タイミングを計ることが重要になります。そのため、力士の優れた運動能力と判断力が求められます。決定的瞬間を見極め、確実に足を掛ける必要があり、失敗すれば逆に自分が不利な体勢になるリスクも伴います。

成立の稀少性

この決まり手は、成立させるのが非常に難しいとされています。なぜなら、相手の背後を取るのが難しく、さらに、バランスを崩さずに足を掛けるには、高度な技術が必要だからです。そのため、実際にこの技が見られる機会は非常に限られています。決まり手制定以降、記録されている例はごくわずかです。

過去の事例

決まり手制定後、初めて送り掛けが決まったのは、2017年春場所9日目、三段目の取組において、翠富士が神嶽戦で決めた例です。幕内での記録としては、2019年5月場所9日目に照強が千代丸に対して決めた一番のみが確認されています。このことからも、幕内力士の間でも、この技がどれほど珍しいかが分かります。

関連情報

送り掛けは、相手を送り出すようにして倒すことから、その名が付けられました。同じように相手を送り出す決まり手としては、「送り出し」があります。相撲の奥深さを物語る決まり手の一つと言えるでしょう。

関連項目
相撲
大相撲の決まり手一覧
送り出し

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