逢瀬川

逢瀬川：郡山を潤す清流、人々の手で蘇る自然

逢瀬川（おうせがわ）は、福島県郡山市逢瀬町の大滝渓谷に源を発し、阿武隈川へと合流する一級河川です。かつては水遊びもできる清流でしたが、高度経済成長期以降、生活排水の流入や不法投棄により水質が著しく悪化しました。

しかし、1989年、一人の市民、撞井恒夫氏が単身で川の清掃を始めたことをきっかけに、状況は大きく変わります。当初は無関心だった周辺住民も、環境意識の高まりとともに清掃活動を支援するようになり、県中建設事務所の有志による「川ざらい活動（胴長軍団）」も発足しました。

地道な努力が実を結び、現在では「ふるさとの川整備事業」によって護岸が整備され、富田親水広場や大島自然ふれあい広場といった親水空間も誕生しました。逢瀬川は、豊かな自然を取り戻しつつあります。

逢瀬川の地理

源流: 郡山市逢瀬町多田野 大滝渓谷
合流先: 郡山市富久山町久保田と郡山市横塚の境界で阿武隈川に合流
流域自治体: 福島県郡山市
主な支流: 亀田川、馬場川

逢瀬川を彩る橋梁群

逢瀬川には、様々な橋が架かっています。

横塚橋（福島県道372号須賀川二本松自転車道線）
逢瀬川橋（福島県道57号郡山大越線）
安積橋（福島県道355号須賀川二本松線）
相生橋（市道）
逢瀬橋（福島県道296号荒井郡山線）
大窪橋（福島県道296号荒井郡山線）
咲田橋（市道）
富田橋（内環状線）
後古川橋（市道）
若戸橋（国道4号郡山バイパス）
阿久戸橋（市道）
前川原橋（国道49号）
逢瀬川橋（東北自動車道）
的場橋（福島県道142号河内郡山線）

逢瀬さくらの里：春の絶景

逢瀬川沿い、逢瀬公園付近には約1.5kmにわたる桜並木「逢瀬さくらの里」が続きます。地元の人々によって植えられたソメイヨシノに加え、アーコレード、舞姫、神代曙など8種類150本の桜が咲き誇り、春には息をのむような美しい景観が広がります。

歌に詠まれた逢瀬川

逢瀬川は、古くから歌枕として親しまれ、多くの歌に詠まれてきました。

逢瀬川 袖つくばかり 浅けれど 君許さねば えこそ渡らね…源重之
まだなれぬ 人にぞ今宵 逢瀬川 同じ流れを 思い渡りて…季経集
堰とめぬ 人目つつみに ことよせて 流れもやれぬ 逢瀬川なみ
ほどなくも 流れぞとまる 逢瀬川 変わる心や 井堰なるらん…新続古今和歌集
* 浅香山 さも浅からぬ 敵とみて 逢瀬に勇む 駒の足並み…源頼義

現代では、ロックバンド音速ラインが「逢瀬川」という楽曲を発表しています。

逢瀬川は、郡山の自然と人々の営みを見守りながら、これからもその流れを未来へと繋いでいくでしょう。

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