進歩党 (中華民国)

進歩党の概要

進歩党（しんぽとう）は、中華民国初期に活動した政党であり、1913年5月29日に設立されました。この党は、国家主義を基盤とし、善政の実施を目指していたことが特徴的です。

設立の経緯

進歩党は、1912年末からの衆参両院選挙で、国民党が圧倒的な勝利を収めたことを背景に生まれました。国民党は269議席を獲得しており、これに対抗するために共和党、統一党、民主党の3党が集結し、進歩党が結成されたのです。これによって、3党は袁世凱を支持し国民党に対抗する狙いを持っていました。

主要な理念

進歩党が掲げた宗旨は、以下の三点に集約されます：
1. 国家主義を基にした強力で善政を実施する政府の構築。
2. 民意の尊重と法に基づく自由の擁護。
3. 世界の流れに順応し、平和と実利の増進。

主な幹部

進歩党の中核となる幹部には、以下の人物が名を連ねていました。

• - 理事長：黎元洪, （代理理事長として梁啓超）
• - 理事：梁啓超、張謇、伍廷芳、孫武、那彦図、湯化竜、王揖唐、蒲殿俊、王印川
• - 政務部長：林長民

内部の対立

進歩党は、様々なグループが集まったこともあり、内部の意見統一が進みませんでした。特に、民主党出身の孫洪伊は、党務部副部長に就任しながらも、梁啓超の袁世凱接近に失望し、実質的には進歩党から距離を置くこととなりました。また、古い共和党に属していたメンバーも不満を持ち、進歩党の中枢を離脱して新共和党を立ち上げるケースも見られました。

政府との関係

進歩党は袁世凱政府を支持する立場を取っていましたが、第二革命の後は、国民党の穏健派と協力しつつ国会運営の円滑化を模索しました。この動きを受けて、袁世凱は1913年に新たな親袁の政党として公民党を結成しました。さらに国会が開かれることなく、袁世凱が大総統に選出されることになったのです。

進歩党の運命

進歩党は次第に危機感を抱き、1913年10月21日には国民党と進歩党の有志によって民憲党が結成される動きが見られました。しかし、袁世凱による国民党議員の議員資格剥奪が11月4日に行われ、国会は実質的に機能を失いました。11月15日には、進歩党は事実上崩壊したと見なされることになりました。

護国戦争

その後、進歩党の有力幹部たちは1915年に袁世凱の皇帝即位に反発し、護国戦争を始めることになりました。このように、進歩党の歴史は緊迫した政治状況の中で展開し、波乱に富んだものでした。

参考文献

• - 謝彬『民国政党史』などの文献に基づいて、進歩党の成立からその後の影響までの過程が詳しく記されている。

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