道の駅伊良湖クリスタルポルト

概要

愛知県田原市伊良湖町に位置する「道の駅伊良湖クリスタルポルト」は、国道42号に登録された地域振興施設です。渥美半島の最先端、伊良湖岬にあり、伊良湖港の旅客ターミナルとしての機能も兼ね備えています。海上交通と陸上交通を結ぶ重要な拠点として、多くの観光客や利用者が訪れます。

沿革

施設の歴史は1970年7月にさかのぼります。この時、「伊良湖港湾観光センター」として開設されました。当初の建物は鉄筋コンクリート造りの2階建てで、1階には海陸交通ターミナル事務所、待合室、食堂、売店が配置され、2階には伊良湖ビジターセンター（伊良湖自然科学博物館）がありました。

時を経て施設は改装され、1994年8月には現在の名称である「道の駅伊良湖クリスタルポルト」に改称されました。この改称に伴い、かつて入居していた博物館は閉館しています。運営体制も変遷し、設立当初は第三セクターによるものでしたが、その後は民間会社に引き継がれ、田原市が施設の一部を賃借してサービスを提供する形が取られていました。

近年の経緯とリニューアル

2020年には、新型コロナウイルス感染症の影響によるフェリー利用者の減少などから、同年5月30日以降、長期の休館を余儀なくされました。2021年に入り、同年3月16日には2階トイレなど一部施設が、同年7月1日からは食堂や売店が営業を再開しました。この再開前後には、建物の外壁にあった道の駅シンボルマークが撤去され、道の駅スタンプの提供も休止されました。

施設の安定的な運営を目指し、田原市は建物の取得を決定。2022年度の一般会計補正予算に関連予算を計上し、同年6月には所有者であったHMIホテルグループから約2億2千万円で建物を購入しました。建物の引き渡しを受けた後、市は大規模な改修工事を実施するため、2022年10月から再び休館に入りました。約8ヶ月間の改修期間を経て、2023年6月4日に無事リニューアルオープンを果たしました。リニューアル後は、同年6月8日からレンタカーの受付や電動バイクのレンタルサービスも開始され、より多様なニーズに応えられるようになっています。

現在の運営は、田原市商工会などが出資する「田原観光情報サービスセンター」が指定管理者として行っています。

施設概要

道の駅伊良湖クリスタルポルトには、快適な利用のための設備が整えられています。

駐車場: 普通車102台、大型車4台、身障者用2台分のスペースがあります。
トイレ: 男女別および身障者用トイレが設置されており、一部は24時間利用可能です。
公衆電話: 館内に設置されています。

館内の主要施設は以下の通りです。

1階（徒歩乗船客出入口側）: やしの実博物館、催事場、ゲームコーナー（いずれも現在休業中）。
2階（正面出入口側）: 売店・特産物販売所、乗船チケットカウンター（伊勢湾フェリー、名鉄海上観光船、神島観光船）、食堂。
3階: 団体客専用食堂（現在休業中）。

やしの実博物館

1階にある「やしの実博物館」は、詩人・島崎藤村の代表作である『椰子の実』をメインテーマとした展示施設です。かつては「伊良湖自然科学博物館」とも呼ばれていました。ここでは、世界各地のヤシ約100種類の実物標本（幹、花房、種子など）を展示しており、ヤシが人々の生活やこの伊良湖の地とどのように関わってきたかを紹介しています。また、渥美半島の豊かな歴史、自然、文化に関する展示も行われていますが、前述の通り、現在この博物館は休業中です。

アクセス

自動車: 東名高速道路 豊川インターチェンジから車で約90分です。
公共交通機関（バス）: 豊橋鉄道渥美線 三河田原駅またはJR・名鉄 豊橋駅から、豊鉄バス伊良湖本線を利用し、「伊良湖岬」バス停で下車します。豊橋駅からの場合は、保美バス停での乗り換えが必要な場合があります。
* 船: 愛知県の河和港からは名鉄海上観光船（高速船）、三重県の鳥羽港からは伊勢湾フェリーを利用して、伊良湖港に到着することができます。

周辺スポット

道の駅の周辺には、伊良湖岬灯台、恋路ヶ浜、日出の石門といった、伊良湖岬を代表する風光明媚な観光地が点在しています。

その他

道の駅伊良湖クリスタルポルトは年中無休で開館しており、訪れる人々に利便性を提供しています。

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