遠い明日

映画『遠い明日』作品解説

1979年11月3日に公開された映画『遠い明日』は、東宝映画が製作し、東宝が配給した作品です。上映時間は95分、カラー作品として公開されました。

あらすじ

物語の主人公は、19年前の「戸畑事件」で殺人罪に問われ服役中の父を持つ青年です。彼は父の無実を信じ、「19年前の戸畑事件の裁判はデッチ上げだ！」と書かれたプラカードを掲げ、街中を歩き回ります。父のために、たった一人で事件の真相を追求し、社会の不条理に立ち向かう青年の姿を描いた作品です。

スタッフ

本作の製作は田中収、監督は神代辰巳が務めました。原作はA・J・クローニンの小説「地の果てまで」で、脚本は馬場当が担当しました。撮影は原一民、美術は樋口幸男、録音は神蔵昇、照明は小島真二、編集は池田美千子が担当しています。また、助監督は今村一平、製作担当者は徳増俊郎が務めました。音楽はクニ河内が担当し、整音は西尾昇、音響制作は東宝録音センターが担当しています。

キャスト

主人公の多川明役には三浦友和が、馬場順子役にはいしだあゆみがキャスティングされています。その他のキャストとしては、大野木弁護士役には地井武男、江川良枝役には宮下順子、多川蓮三役には金子信雄（特別出演）が名を連ねています。また、岩佐司郎役を若山富三郎、沼田万造役を殿山泰司、小林役を森川正太、須田検事長役を神山繁、斎藤役を浜村純、樫山役を石橋蓮司、猪ヶ谷署長役を小松方正、大平秀樹役を佐藤蛾次郎が演じています。

作品の魅力

『遠い明日』は、一人の青年の信念と行動を通して、社会の矛盾や不条理を描いた社会派ドラマです。冤罪という重いテーマを扱いながらも、主人公のひたむきな姿を通して、人間の強さや希望を伝えています。豪華なキャスト陣の演技も見どころの一つで、それぞれのキャラクターが物語に深みを与えています。過去の事件の真相を暴くというミステリー要素もあり、最後まで観客を飽きさせない展開が魅力です。

この作品は、現代社会にも通じる普遍的なテーマを扱い、観る者に深く考えさせる力を持っています。社会の暗部を描きつつも、人間の尊厳や希望を力強く描いた、見応えのある作品です。

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