遠山友由

遠山友由（とおやま ともよし）

遠山友由は、江戸時代中期に美濃苗木藩の第5代藩主を務めた人物です。幼名を勝千代といい、通称を宮内と称しました。元禄7年（1694年）に苗木城で誕生し、その生涯は藩主としての責務と激動の時代に翻弄されたものでした。

生涯

若年期

元禄7年9月22日（1694年11月9日）に苗木城で生まれた友由は、幼少期をこの地で過ごしました。宝永2年（1705年）には、将軍徳川綱吉に御目見えし、その存在を公に示しました。宝永4年（1707年）には、従五位下に叙任され、伊予守友章と名乗るようになります。

藩主就任と藩政

正徳2年（1712年）2月16日、父の隠居により家督を継ぎ、苗木藩の藩主となりました。同年4月28日には、藩主として初めて苗木城に帰城し、藩政を担うことになります。正徳3年（1713年）には大坂加番に任じられ、同年3月11日に苗木城を発ちました。大坂での役目を終えた後は、藩政において倹約を主とした政策を推し進めました。

大坂加番の際には、家老の陶山直右衛門、安田造酒右衛門、物頭の纐纈市兵衛をはじめ、多くの家臣が随行しました。彼らは、旗、鉄砲、弓、槍などの武具を携え、藩主の警護と任務の遂行に当たりました。この時の勤番は、同年8月5日まで続きました。

正徳5年（1715年）4月から享保元年（1716年）4月まで、幸橋御門番を勤めました。この年に、名前を友由に改名しています。その後、享保2年（1717年）10月24日から、享保3年（1718年）4月15日まで日比谷御門番を務めました。

災厄と晩年

享保3年7月26日（1718年8月22日）には、遠山地震が発生し、苗木城内が大きく損壊するという災難に見舞われました。この地震による被害からの復旧は、藩にとって大きな課題となりました。

享保6年（1721年）8月15日、江戸城内で急病により倒れ、その後の病状は悪化しました。同年11月には、十三ヶ条の百姓衣類定書を公布し、藩民の生活安定にも尽力しました。

生前、友由は長男の遠山友将に家督を相続させること、そして弟の遠山友央に加茂郡内の500石を分知して旗本とする事を願い出て、許可されました。しかし、病状は次第に悪化し、享保7年（1722年）4月21日に江戸で29歳という若さでこの世を去りました。遺骸は苗木に送られ、雲林寺墓地に埋葬されました。その後、長男の友将が苗木藩主を継ぎました。

人物

遠山友由は、藩主として倹約を旨とし、財政の立て直しに尽力しました。また、大坂加番や江戸の御門番など、幕府の要職も務め、その能力を高く評価されていたと考えられます。地震による被害や自身の病に苦しみながらも、藩政に尽力した人物でした。

参考文献

『苗木藩政史研究』 後藤時男著
『中津川市史　中巻Ⅰ』 中津川市
『恵那郡史』 恵那郡教育会
『福岡町史　通史編 下巻』 福岡町

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