遠山友春

遠山友春（とおやま ともはる）

遠山友春は、江戸時代前期の美濃苗木藩の第4代藩主です。幼名は五郎八と称しました。1661年（寛文元年）に苗木城で誕生し、1675年（延宝3年）に父である遠山友貞の死去に伴い、藩主の座を継承しました。同年には将軍徳川綱吉に謁見し、藩内における奉行の不正を取り締まるなど、若くして藩政に手腕を発揮しました。

1676年（延宝4年）には従五位下・和泉守に叙任され、1677年（延宝5年）に初めて苗木城に入城しました。当初、伊東長貞の娘と婚姻しましたが、1679年（延宝7年）に彼女が亡くなったため、江戸高輪の東禅寺に葬られました。その後、織田長政の娘である俊を妻に迎えました。

1680年（延宝8年）には、鳥羽藩の内藤忠勝が改易されたため、鳥羽城の在番を命じられました。この際、家老の纐纈藤左衛門をはじめとする多くの家臣を率いて現地に赴任し、鳥羽城の警備にあたりました。翌1681年（天和元年）に土井利益が鳥羽藩主として入城すると、城を明け渡しました。

1681年（天和元年）には、幕府の巡見使が苗木領内を通過した際に、田瀬村で昼食を供するなどの接待を行いました。1686年（貞享3年）には、千村平蔵義道を幕命により預かることになりました。また、1689年（貞享6年）以降は、呉服橋門番、日比谷門番、幸橋門番、駿府加番、半蔵門番、増上寺の火の番など、幕府の要職を歴任しました。1695年（元禄8年）には駿府城加番を命じられ、老臣の田邊紋右衛門らと共に駿府に赴任し、翌年まで務めました。

1702年（元禄15年）には、岩村藩主の丹羽氏音が越後高柳藩へ移封される際、岩村城の請取役を務めました。[[信濃飯田藩]]主の堀親賢と共に岩村城に赴き、二の丸の請取を完了させました。その後、信濃小諸藩から松平乗紀が岩村藩主として入城するまでの間、在番を務め、松平家に岩村城を引き渡しました。

1712年（正徳2年）には、家督を次男の遠山友由に譲って隠居し、友山と号しました。1714年（正徳4年）に54歳でこの世を去り、中津川市苗木の苗木遠山家廟所に埋葬されました。

遠山友春は、苗木藩の藩主として藩政を安定させ、幕府の要職も歴任するなど、多岐にわたる活動を展開した人物として知られています。

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