滋野井季吉

滋野井季吉（しげのい すえよし）

滋野井季吉は、安土桃山時代末期から江戸時代初期にかけての公卿で、中絶していた滋野井家を再興した人物として知られています。

生涯

天正14年（1586年）9月、五辻之仲（当時は元仲）の長男として生まれ、幼名は冬隆（ふゆたか）と名乗りました。15歳で叙爵し、元服後に昇殿を許されると、慶長5年（1600年）1月には従五位下に叙せられ、同年7月には侍従に任官しました。

その後、慶長6年（1601年）には越中権介を兼任し、慶長9年（1604年）には従五位上に昇進しました。慶長12年（1607年）には右近衛少将、慶長18年（1613年）には右近衛中将に転任し、着実に昇進を重ねました。元和2年（1616年）には名を季吉（すえよし）と改め、寛永4年（1627年）には参議に任じられ、公卿の仲間入りを果たします。

季吉は、朝廷における儀式や祭礼においても重要な役割を果たしました。寛永9年（1632年）の元日節会を始め、白馬節会、踏歌節会などの外弁を務め、春日祭では上卿として参向するなど、その活躍は多岐に渡りました。特に寛永12年（1635年）には従二位に叙せられ、寛永19年（1642年）には正二位に昇進し、その地位を確固たるものとしました。

寛永20年（1643年）、後光明天皇が即位すると、即位外弁を務め、その後も元日節会の外弁を務めましたが、同年2月16日に除服しました。

明暦元年（1656年）12月5日、70歳で生涯を終え、法名は智光院徹山大通とされました。その生涯は、激動の時代において公家社会を支え、滋野井家再興に尽力したものでした。

官歴

慶長5年1月11日（1600年2月25日）：従五位下
慶長5年7月6日（1600年8月14日）：侍従
慶長6年3月19日（1601年4月21日）：越中権介
慶長9年8月1日（1604年8月25日）：従五位上
慶長12年1月17日（1607年2月13日）：右近衛少将
慶長13年1月6日（1608年2月21日）：正五位下
慶長17年1月5日（1612年2月6日）：従四位下
慶長18年1月6日（1613年2月25日）：従四位上
慶長18年11月1日（1613年12月12日）：右近衛中将
元和8年1月5日（1622年2月15日）：正四位下
寛永4年2月2日（1627年3月19日）：参議、右近衛中将は如元
寛永4年4月22日（1627年6月5日）：従三位
寛永8年1月6日（1631年2月6日）：正三位
寛永9年1月11日（1632年3月1日）：権中納言
寛永12年1月5日（1635年2月22日）：従二位
寛永19年1月5日（1642年2月4日）：正二位
寛永20年1月11日（1643年3月1日）：権中納言を辞任
寛永20年10月8日（1643年11月19日）：権大納言
正保4年12月28日（1648年1月22日）：権大納言を辞任

系譜

実父：五辻之仲
実母：葉室頼房の娘
兄弟：綾小路高有、五辻奉仲、五辻斉仲
義父：滋野井公古
男子：葉室頼隆（葉室頼豊猶子）
男子：滋野井冬晴
男子：滋野井教広（冬晴猶子）
男子：五辻俊仲（五辻斉仲猶子）
男子：真清
男子：実定
女子：東坊城知長室
女子：遠山秀友継室
女子：松平信濃守室


滋野井季吉は、公家社会において重要な役割を果たし、その生涯は多くの人々に影響を与えました。その功績は、後世にまで語り継がれています。

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