遠山顕

遠山顕（とおやま けん）

遠山顕は1947年に北海道で生まれた日本の英語講師です。東京外国語大学の英米語学科を卒業後、テンプル大学ジャパンキャンパスで教育学の英語教授法修士課程を修了しました。彼は、日本国内及び国際的に英語教育に重要な役割を果たしてきました。

教育者としての経歴

遠山顕は、さまざまな教育機関で教鞭をとる一方、ラジオやポッドキャストでも多くの英語講座を担当しています。神田外語学院の英語科主任を務めたり、NHKのラジオ講座「百万人の英語」や「英会話入門」で講師を務めて、特に1994年から2002年、また2004年から2021年にかけての長い間にわたって出演していました。これらのラジオ番組での活動は、遠山自身の英語講師としての地位を確立する重要な要素となりました。

彼の教授法は、肩肘を張らず、実践的なコミュニケーション能力の向上を重視するもので、「語学」ではなく「話学」、そして「樂習」という考え方を大切にしています。このアプローチにより、従来の学校英語の文語的な文法指導に偏らず、実際に話す力を鍛えることができると主張しています。彼の講座の締めくくりには必ず「Keep listening, keep practicing and keep on smiling!」というフレーズがあり、これは彼自身のモットーを表しています。

メディアでの活動

遠山顕は、NHKの講座での活動だけではなく、2018年度から2021年度にかけては自身の名を冠した「遠山顕の英会話楽習」を担当しました。また、2022年春からは、NHK出版の技術を利用した音声DL付き季刊ムックとして新たな形で講座を展開しています。ラジオから出版物への転換は、彼の英語教育への新しいアプローチを示しています。

多才な活動

遠山は学生時代から演劇に関心を持ち、英語劇のサークルに参加していました。現在も、外国人とのコラボレーションを通じて独自の演劇活動を行っています。また、クロスワードやビリヤード、ヨガなどの趣味も持ち、これら多様な活動は英語教育にも影響を及ぼしています。「百万人の英語」時代には、テキストに格言やことわざの原典とそのパロディを掲載し、独自の「Ken典」を創出していました。

さらに、彼は日本の物語を和英両語で弾き語りする「笑涙琵琶語り部」としても活動し、『平家物語』や小泉八雲の作品に挑戦しています。俳優としても活躍し、1984年に放送されたNHK大河ドラマ『山河燃ゆ』にも出演した経歴を持ちます。

また、2022年のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』では、彼自身の講師役として声の出演を果たすなど、幅広いメディアでその存在感を示しています。彼のキャリアには、英語教育における革新と多才な表現が溢れています。

主な著作

遠山顕の主な著書には、『よりぬき英会話入門 1〜5』や『遠山顕の英会話の素』シリーズなど、NHK出版から多くの作品が出版されています。これらは彼の教育理念を基にした実用的な英語教材です。

彼の活動は、英語教育界における重要な存在であり続け、教授法や教材を通して多くの人々に影響を与えています。

もう一度検索