遠敷川

遠敷川：若狭地方の自然と歴史が息づく一級河川

福井県小浜市を流れる遠敷川は、古くからこの地域の人々の生活に深く関わってきた一級河川です。その歴史は古く、和銅5年（712年）以前は「小丹生川」と呼ばれていたと伝えられています。

地理と水源

遠敷川は若狭地方の最高峰、百里ヶ岳に源を発します。山々から流れ出る清流は、北に向かって流れ下ります。中流域には、多くの文化財が点在し、その豊かな自然環境を物語っています。中でも、松永川との合流地点は、遠敷川の景観の重要な要素となっています。そして、北川へと流れ込み、日本海へと注ぎます。

上根来水源の森と水資源

遠敷川の源流域は、林野庁により「水源の森百選」に選定された「上根来水源の森」として知られています。この森は、遠敷川の水源として重要な役割を果たしており、上流地域では簡易水道や上水道、そして小浜市の灌漑用水として利用されています。豊かな森によって涵養された水は、人々の生活を支える大切な資源となっています。

名水百選「鵜の瀬」

遠敷川の中流域には、「鵜の瀬」と呼ばれる淵があります。この鵜の瀬は、1985年（昭和60年）に名水百選に選定された、遠敷川を代表する名所です。

伝説によると、2羽の白い鵜と1羽の黒い鵜が羽を休めた跡から湧水が湧き出したと伝えられています。深い緑に囲まれた美しい淵は、親水公園として整備され、その歴史や自然環境について学ぶことができる「鵜の瀬公園資料館」も併設されています。

お水送りの神事

鵜の瀬は、奈良県にある東大寺の修二会（お水取り）に際して、毎年3月2日に行われる「お水送り」の神事の場所としても知られています。この神事は、古くから続く伝統行事であり、遠敷川と東大寺を結ぶ重要な儀式として、多くの観光客を集めています。

交通アクセス

遠敷川と鵜の瀬を訪れるには、JR小浜線東小浜駅からタクシーを利用するか、国道27号または若狭西街道を利用して、神宮寺からアクセスすることができます。

まとめ

遠敷川は、自然と歴史が深く結びついた、若狭地方を代表する河川です。水源の森から名水百選に選ばれた美しい淵、そして古くから続く神事まで、遠敷川には見どころが満載です。豊かな自然と歴史に触れ、癒しのひとときを過ごせる場所として、多くの人々に愛されています。

もう一度検索