邇摩郡

邇摩郡の歴史と沿革

邇摩郡（にまぐん）はかつて島根県に存在した行政区画の一つであり、現在では消滅しています。本記事では邇摩郡の歴史や地名、行政区画の変遷について詳しく紹介します。

邇摩郡の成立とその由来

邇摩郡は1879年、明治時代に行政区画として発足しました。郡名の由来については諸説あります。一つは、この地域にあった大きな沼から「ヌマ」が転訛して「邇摩」になったという説です。もう一つは、備中国下道郡迩磨（にま）の開拓者がこの地へ移住したことに由来するという説です。歴史的には914年、三善清行が醍醐天皇に提出した「意見十二箇条」において「二万郷」と記され、後に邇磨郷となった地名がこの地域に存在していたことも示しています。

郡域の範囲

邇摩郡が発足した当初の郡域は、現在の大田市の一部、江津市の一部、邑智郡川本町の一部を含んでいました。具体的には、静間町や大屋町、久利町、川合町などがその一部です。この地域は、明治初年時点で大森代官所の管轄下にあり、46の村が存在していました。

近世以降の沿革

明治時代に入ると、邇摩郡は数回の行政的な変更を経験しました。例えば、1869年には大森県の管轄に、1870年には浜田県の管轄になっています。そして1879年には「郡区町村編制法」が施行され、正式に邇摩郡が設置されました。この年の初めに、郡役所が佐摩村に設置されたことも記録されています。

その後、1889年に町村制が施行されると、19の村が新たに国家の基礎として独立しました。ここには、大森村、水上村、大屋村、井田村などが含まれます。また、1896年には郡制が施行され、郡役所が大森村に移転しました。

20世紀における変遷

邇摩郡は20世紀に入り、多くの合併が行われました。特に昭和時代には数回の村と町の合併がありました。1947年には八代村の一部が邑智郡三原村に編入されるなど、地域の組織形態は大きく変わりました。続いて、1941年には温泉津町と大浜村が合併し、再び温泉津町が成立しました。

邇摩郡の最終的な消滅

最終的に、邇摩郡は2005年に法的に消滅しました。この年、温泉津町と仁摩町が大田市と合併し、新たに大田市が発足しました。これにより、邇摩郡という名称は歴史の中に埋もれていくこととなりました。

まとめ

邇摩郡は、時代とともに地域の形を変えながらも、地域社会に重要な役割を果たした歴史的な郡です。地名の由来や沿革は、地域の文化と歴史を物語っています。消滅した今、邇摩郡の名残は地名や古文書に見ることができ、地域の歴史的な遺産として多くの人々に知られています。

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