那智町

那智町は、和歌山県東牟婁郡に位置し、現在の那智勝浦町の北東部を占めていた町です。熊野灘に面し、那智川と二河川の流域に沿って開けていました。

地理

那智町は、豊かな自然に恵まれた土地でした。

海洋: 熊野灘、那智湾に面していました。
島嶼: ラクダ島、金光坊島などの島々が点在していました。
山岳: 尾畑山、高山、保天美山、光ヶ峯、那智山（妙法山）、烏帽子山といった山々に囲まれていました。
河川: 那智川、長谷川、二河川などが流れ、豊かな水源となっていました。

歴史

那智町の歴史は、明治時代の町村制施行に始まります。

1889年（明治22年）4月1日 - 町村制の施行により、東牟婁郡井関村、市野々村、川関村、天満村、橋ノ川村、濱ノ宮村、二河村、湯川村の区域をもって那智村が発足しました。
1934年（昭和9年）8月1日 - 那智村が町制を施行し、那智町となりました。
1955年（昭和30年）4月1日 - 勝浦町、色川村、宇久井村と合併し、那智勝浦町が発足。同日、那智町は廃止されました。

交通

かつては、鉄道と道路が那智町を結んでいました。

鉄道路線: 日本国有鉄道紀勢西線（現・紀勢本線）が通り、那智駅、紀伊天満駅、湯川駅が設置されていました。
道路: 国道170号（現・国道42号）が町内を通過していました。

名所・旧跡・観光スポット

那智町には、数多くの名所・旧跡・観光スポットが存在します。これらの多くは、現在も那智勝浦町の一部として、その魅力を伝えています。

那智滝: 日本三大名滝の一つ。華厳滝、袋田の滝と並び称される名瀑です。
熊野那智大社: 熊野三山の一つ。全国に数千社ある熊野神社の御本社です。
青岸渡寺: 西国三十三所観音霊場の第一番札所。熊野那智大社の隣に位置します。
補陀洛山寺: 熊野信仰の中心地の一つ。観音菩薩の浄土である補陀洛山を目指す補陀洛渡海が行われていたことで知られています。
大門坂: 熊野那智大社へと続く石畳の参道。往時の面影を残す杉並木が美しい場所です。

参考文献

角川日本地名大辞典 30 和歌山県

関連項目

和歌山県の廃止市町村一覧

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