那覇空軍・海軍補助施設

那覇空軍・海軍補助施設

那覇空軍・海軍補助施設は、沖縄県那覇市の小禄半島に存在した、広大な米軍基地です。現在の那覇空港や瀬長島一帯を含む広大な地域が、かつては米軍の施設として利用されていました。

概要

小禄半島は、そのほぼ全域が長らく米軍基地として接収されていました。その中には、以下の施設が含まれていました。

那覇海軍航空施設（滑走路を含む）
那覇サイト（ミサイル基地を含む）
那覇港湾施設（那覇軍港）
那覇サービスセンター（現在は武道館など）
那覇空軍・海軍補助施設（航空自衛隊那覇基地と住宅地）
那覇ホイール地区（陸上自衛隊那覇駐屯地）

このうち「那覇空軍・海軍補助施設」は、沖縄戦後の占領から継続して使用され、1953年にはさらなる強制接収が行われました。この地域には、将校や下士官、軍属向けの住宅地として、幼稚園、遊園地、ゴルフ場、PX（売店）、銀行などが建設されました。

1965年からは段階的な返還が始まり、西側は航空自衛隊那覇基地へ、東側は住宅地へと転換されました。瀬長島はショッピングモールや市営球場として再開発されました。

歴史

旧海軍「小禄飛行場」

現在の那覇空港がある場所は、かつて島尻郡小禄村と呼ばれていました。1933年8月、日本軍が小禄村大嶺の土地を強制的に接収し、小禄飛行場を建設しました。1945年6月4日には、米軍が半島北側の鏡水から上陸し、旧海軍との間で激しい戦闘が行われました。

米軍「那覇空軍・海軍補助施設」

沖縄戦後、米軍は各種空港施設を建設し、小禄村具志の多くも軍用地として占領しました。住民は民間人収容所に送られ、1947年8月にようやく帰村が許可されました。しかし、米軍が既に小禄村の70%以上を占有していたため、多くの住民は住む場所を失い、米軍が廃棄したテントやトタン葺きの仮住まいで生活を余儀なくされました。

具志の「銃剣とブルドーザー」

1953年12月5日、米国民政府はさらなる軍用地の強制接収のため、具志に武装兵を派遣し、いわゆる「銃剣とブルドーザー」による強制的な土地収奪を行いました。これにより、約2.4万坪の土地が「那覇空軍・海軍補助施設」として接収されました。

返還とその後

1972年5月15日、沖縄返還協定により「那覇空軍・海軍補助施設」は提供が開始されました。その後、一部が返還され、自衛隊に移管されて航空自衛隊那覇基地となりました。返還は1986年まで十数回にわたって分割して行われ、最終的に1986年10月31日に全返還が完了しました。

返還された東側の跡地では、土地区画整理事業が実施され、郊外型大型店舗や住宅地として発展しました。また、瀬長島は市営の野球場やリゾートホテル、ショッピングモール「瀬長島ウミカジテラス」などが建設され、観光客に人気のスポットとなっています。

航空自衛隊那覇基地

現在、那覇基地は航空自衛隊と海上自衛隊が共同で使用しており、以下の部隊が配備されています。

航空自衛隊南西航空混成団
海上自衛隊第5航空群
その他の部隊

跡地開発

自衛隊に移管された土地以外は、小禄金城地区、高良宇栄原地区、具志宮城地区の3地区で土地区画整理事業が行われました。これらの地域は、郊外型大型店舗の進出や那覇市のベッドタウンとして発展しました。瀬長島はリゾート地として開発され、多くの観光客が訪れるようになりました。

参照項目

沖縄の米軍基地
* 瀬長島

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