郡元 (鹿児島市)

鹿児島市郡元（こおりもと）

概要

郡元は、鹿児島県鹿児島市の中央部に位置する町丁です。かつては鹿児島郡中郡宇村の中心地として栄え、現在は鹿児島大学の郡元キャンパスが大部分を占める文教地区となっています。また、住宅地も広がっており、多様な顔を持つエリアです。郵便番号は、郡元一丁目から郡元三丁目までが890-0065、郡元町は890-0064です。2020年4月1日現在の人口は5,999人、世帯数は3,628世帯です。

地理

郡元は、新川の下流域に位置し、北は上荒田町や鴨池、南は南郡元町、西は唐湊や紫原、東は真砂町や真砂本町と隣接しています。町域の南部には鹿児島県道20号鹿児島加世田線が通り、その上を鹿児島市電谷山線が走っています。また、鴨池から分岐する鹿児島市電唐湊線も町域内を通っており、複数の電停が設置されています。東端には国道225号、西端には指宿枕崎線が通るなど、交通の要所となっています。

町域の北部には鹿児島大学郡元キャンパスがあり、教育学部附属の小・中学校などの教育施設も集中しています。中央部には鹿児島市立中郡小学校が所在します。

歴史

郡元の歴史は古く、弥生時代には集落が形成されていたことが、一之宮住居址遺跡の発掘調査で明らかになっています。この遺跡からは、竪穴建物跡や土器などが発見されています。

また、鹿児島大学構内遺跡郡元団地からは、縄文時代から明治時代に至るまでの様々な時代の遺物が発掘されています。特に古墳時代の遺構が多く見つかっています。これらの発掘調査から、郡元が古くから人々の生活の場であったことがわかります。

中世には、郡本という地名で記録に登場し、鎌倉時代には大宰府領、室町時代には島津氏の支配下に入りました。江戸時代には、鹿児島近在の村として、農業を中心に発展しました。

明治時代に入ると、郡元村は中郡宇村の一部となり、村役場が置かれました。その後、1934年に鹿児島市に編入され、郡元町となりました。第二次世界大戦中には、郡元に飛行場が建設され、軍事施設として利用されましたが、戦後、鹿児島空港として再利用されました。しかし、1972年に空港は移転しています。

1950年代以降、鹿児島大学の統合移転が進められ、現在のような文教地区としての姿が形成されました。その後、住居表示の実施に伴い、町域の再編が行われ、現在の郡元一丁目から三丁目、郡元町となりました。

文化財

郡元には、以下のような文化財があります。

国登録有形文化財（建造物）
鹿児島大学総合研究博物館常設展示室：旧鹿児島高等農林学校図書館書庫として建てられた歴史的建造物
県指定有形文化財（考古資料）
大永の名号板碑
県指定史跡
弥生式住居跡（一之宮住居址遺跡）

施設

郡元には、以下のような施設があります。

公共施設
中郡校区公民館
教育施設
鹿児島大学郡元キャンパス（法文学部、教育学部、理学部、工学部、農学部、共同獣医学部など）
鹿児島大学教育学部附属中学校・小学校・幼稚園
KCS鹿児島情報専門学校
鹿児島市立中郡小学校
鴨池幼稚園
寺社
一之宮神社：鹿児島三社の一つ

交通

郡元は、市電や幹線道路が通り、交通の便が良い地域です。

道路
国道225号
鹿児島県道20号鹿児島加世田線
市道唐湊陸橋線
鉄道
鹿児島市電唐湊線：唐湊電停、工学部前電停、純心学園前電停、中郡電停
* 鹿児島市電谷山線：郡元電停、涙橋電停

人口

1995年以降の国勢調査による人口推移は以下の通りです。

（国勢調査のデータは省略）

その他

郡元は、歴史と文化、教育が融合した地域であり、鹿児島市の重要なエリアの一つです。

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