郭勝

郭勝の生涯と権力闘争

郭勝（かく しょう、? - 189年?）は後漢時代末期の宦官で、荊州南陽郡に生まれました。彼は歴史的に重要な役割を果たした人物であり、当時の政治情勢に大きな影響を与えました。彼の生涯は、権力争いや陰謀の渦に巻き込まれたものでした。

宦官としての出発

郭勝は霊帝の時代に、張譲や趙忠といった強大な権力者が君臨する中で、中常侍に任命されました。彼を含む12名の宦官は「十常侍」として知られ、権力を集中させて四方に影響を持ちました。郭勝は霊帝からの厚い寵愛を受け、列侯に叙せられ、彼の親族は地方官として任命され、私腹を肥やしました。このようにして、郭勝は権力と富を手に入れました。

黄巾の乱とその影響

しかし、184年に起きた黄巾の乱は、郭勝にとって厳しい試練となりました。郎中の張鈞は、この乱の元凶として十常侍を弾劾し、彼らを処刑するよう上奏しましたが、皇帝はその命令を拒否しました。この時期にあっても、郭勝は彼の地位を守り続けました。

外戚との関係

郭勝は何進と同郷であったため、何氏との絆がありました。何進は権力者として名を馳せるようになり、彼の妹が霊帝の后となるなど、郭勝にとっては有利な状況が整いました。189年に霊帝が病没し、後に太子劉弁（何氏の子）が即位すると、何氏と董氏との間で権力争いが激化しました。

権力闘争と暗殺

この混乱の中、郭勝は何進と内通しながらも、董氏に味方した宦官・蹇碩を排除しました。こうした動きは、権力闘争の中での彼の地位をさらに強固にするためのものでした。しかし、何進と十常侍の対立は激化し、何進が暗殺される事件へと繋がります。郭勝もこの事件に巻き込まれていた可能性があり、195年の掃討軍の攻撃によって、張譲や趙忠など多くの宦官が命を落としました。

結末

郭勝の人生は、後漢時代の混沌とした政治情勢に大いに影響を与えましたが、彼自身もまた、権力の渦に飲み込まれていったのです。彼の死は、時代の変わり目を象徴する出来事として語り継がれています。彼の行動や選択は、当時の歴史を理解するための重要なカギです。

参考資料

本記事は『後漢書/卷78』を参考にしました。

もう一度検索