郭震

郭震（かく しん、656年 - 713年）は、中国・唐代の詩人であり、字は元振。『唐詩選』では郭振と誤って表記されている。魏州貴郷県（現在の河北省邯鄲市大名県一帯）の出身。

略歴

郭震は、身長七尺（約210cm）という堂々たる体躯の持ち主で、正義感が強く、弱きを助ける任侠の精神を重んじたと伝えられる。高宗の咸亨4年（673年）、18歳という若さで進士に及第し、その才能は則天武后に認められ、右武衛鎧曹参軍・奉宸監丞に任じられた。

その後、郭震は大将軍として、しばしば西北方面へ出陣し、吐蕃（チベット）や突厥（トルコ）といった異民族を撃破する活躍を見せた。その勇猛果敢な戦いぶりから、名将として名を馳せることとなる。景雲2年（711年）には、ついに同中書門下三品・吏部尚書という उच्च位にまで昇進した。

しかし、玄宗が即位すると、郭震は天子の意に逆らう行動をとったため、新州へ流刑に処されることになった。開元元年（713年）、罪を軽減され饒州司馬に遷されたが、流刑地へ向かう途中で病死した。

郭震は詩人としても名を残しており、豪放磊落な人柄が偲ばれる作品が多い。武人としての側面と、詩人としての繊細な感性を併せ持った人物であったと言えるだろう。

備考

郭震の詩は、『全唐詩』に収録されている。
『唐詩選』に郭震の詩が収録されている。
郭震の墓は、故郷である魏州貴郷県にあると伝えられている。

出典

『唐詩選』（版：岩波文庫、註解：前野直彬）

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