魏州

魏州（ぎしゅう）

魏州は、中国にかつて存在した州であり、南北朝時代から宋代にかけて、現在の河北省邯鄲市、河南省濮陽市、および山東省聊城市にまたがる地域に設置されていました。その歴史は、行政区画の変遷とともに複雑な様相を呈しています。

魏晋南北朝時代

582年（北周の大象2年）に、相州から昌楽郡が分離される形で魏州が設置されました。これが魏州としての始まりです。

隋代

隋代に入ると、魏州は2郡6県を管轄するようになりました。605年（大業元年）には、屯州が廃止されたことに伴い、その管轄下にあった県を統合し、勢力を拡大しました。しかし、607年（大業3年）に郡制が施行されると、魏州は武陽郡と改称され、その下には14県が置かれることとなりました。

唐代以降

621年（唐の武徳4年）、唐が竇建徳を平定すると、武陽郡は再び魏州と改められました。しかし、その名称は安定せず、662年（龍朔2年）には冀州と改称されます。その後、672年（咸亨3年）には、冀州は魏州の旧称に戻されました。742年（天宝元年）には、魏州は魏郡と改称されましたが、758年（乾元元年）には再び魏州の称に戻されました。唐代の魏州は河北道に属し、昌楽、貴郷、元城、魏、莘、朝城、館陶、臨黄、冠氏の9県を管轄していました。

923年（後唐の同光元年）、後唐の荘宗李存勗が魏州で即位し、魏州を東京興唐府と改めました。925年（同光3年）には、東京は鄴都と改称されましたが、929年（天成4年）には、鄴都は魏州の旧称に戻されました。

1042年（北宋の慶暦2年）には、北宋により魏州は北京大名府と改められました。この改称をもって、魏州としての歴史は幕を閉じることとなります。

魏州は、その成立から終焉まで、時代の流れの中で幾度も名称や管轄地域を変更し、その姿を変えていきました。その変遷は、中国の地方行政制度の変遷を反映するものであり、歴史を研究する上で重要な事例の一つと言えるでしょう。

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