都営バス南千住営業所

都営バス 南千住自動車営業所

都営バス南千住自動車営業所は、東京都荒川区南千住に位置する都営バスの営業所です。荒川区南部、台東区、墨田区といった地域を中心に路線バスを運行しており、地域住民の重要な交通手段となっています。

概要

南千住自動車営業所は、1975年 12月21日に開設されました。これは、台東区千束にあった新谷町自動車営業所の移転に伴うもので、その敷地はかつて都電南千住電車営業所があった場所を利用しています。営業所記号は「K」で、管轄下には青戸支所があります。車両のナンバーは足立ナンバーです。

沿革

南千住自動車営業所の歴史は、以下の通りです。

1928年（昭和3年）：業平営業所を移転し、新谷町出張所とする。
1945年（昭和20年）6月16日：戦災により千住営業所新谷町分車庫に降格。
1946年（昭和21年）4月1日：新谷町自動車営業所として復旧。
1971年（昭和46年）：南千住電車営業所跡地に、千住自動車営業所南千住分車庫が整備される。
1975年（昭和50年）12月21日：新谷町営業所を都電南千住電車営業所跡地に移転、南千住自動車営業所と改称。
2006年（平成18年）4月1日：南千住営業所青戸分駐所を開設、同時に錦37系統を青戸支所から移管。
2008年（平成20年）3月31日：青戸分駐所を青戸支所に統合、錦37系統をはとバス委託とする。
2009年（平成21年）4月1日：営業所の最寄バス停を「南千住」から「南千住車庫前」に変更する。

現行路線

南千住自動車営業所が現在担当している主な路線は以下の通りです。

都08系統（グリーンリバー）

日暮里駅と錦糸町駅を結ぶ路線で、浅草や吾妻橋を経由します。都市新バスの一つで、愛称は「グリーンリバー」です。出入庫便は、日暮里駅側からは下谷警察署行、錦糸町駅側からは東武浅草駅行として運行されます。浅草周辺では、正月三が日、浅草サンバカーニバル、三社祭などのイベント時に迂回運転が行われます。隅田川花火大会開催時には、錦糸町駅 - 本所吾妻橋間と日暮里駅 - 浅草二丁目間での折り返し運転となります。

歴史は古く、1947年（昭和22年）4月21日に錦糸町駅と浅草を結ぶ23系統として開業しました。その後、上野広小路への延長や、竜泉経由のルートへの変更を経て現在の形になりました。1994年 1月18日に東京都交通局最後の都市新バスとして都08系統となりました。2006年 11月25日からは、全便ノンステップバスでの運行となっています。

里22系統

日暮里駅と亀戸駅を結ぶ路線で、主に明治通りを走行します。終戦当時から12系統として運行されており、後に日暮里駅まで延長され現在の運行形態となりました。1977年に里22系統が南千住営業所に移管されてからは、里23（現在の都08）系統と兄弟的な存在となりました。

出入庫系統では、亀戸駅・日暮里駅発は南千住車庫停留所まで営業を行いますが、南千住車庫発は泪橋からの営業となります。一部、日暮里駅発着で橋場二丁目起終点の便もあります。2018年（平成30年）4月1日には、入出庫便のうち日暮里駅発橋場二丁目行きが廃止されました。

錦40系統

南千住駅東口と錦糸町駅を結ぶ路線で、2015年3月30日に運行を開始しました。この路線は、かつて京成バスとの相互乗り入れ路線だった137系統のルートの一部を復活させたものです。ダイヤはほぼ1時間に1本となっています。

東42系統

南千住と東京駅八重洲口・東神田を結ぶ路線です。この路線は、都電22系統の代替として1971年（昭和46年）3月18日に運行を開始しました。東42-1系統、東42-2系統、東42-3系統の3つの系統があります。1986年に設定された2代目東42乙系統（現在の東42-3系統）は、台東区の交通不便地域解消のために運行が開始されました。2020年 4月1日に系統名を数字に変更しました。

上46系統

南千住駅東口と上野松坂屋を結ぶ路線です。1948年に浅草寿町 - 汐入として運行が開始され、1951年に上野まで延長されました。南千住汐入地区は、その後も経路変更が数多く行われました。2002年には南千住駅東口交通広場の開設に伴い、路線は南千住駅東口へ延長されました。2009年には南千住車庫折返し便が設定されました。三社祭の際には千束通りが通行止めになるため迂回ルートが使用されます。

廃止・移管路線

過去に南千住自動車営業所が担当していた主な廃止・移管路線は以下の通りです。

S-1系統（定期観光路線バス）：「東京→夢の下町」という愛称で、東京の観光スポットを結んでいた路線ですが、2022年 3月31日限りで運行を終了しました。
二階01系統（二階建てバス）：浅草雷門 - 上野駅 - 上野広小路間を運行していた二階建てバス路線で、1981年（昭和56年）に新設され、2001年（平成13年）に廃止されました。
台東01系統（めぐりん）：台東区からの委託を受けて運転を開始したコミュニティバス。2004年に民間へ移管されました。
都08急行系統：日暮里駅と錦糸町駅を結ぶ速達路線として2012年に開設されましたが、2015年3月29日をもって廃止されました。
里23系統：現在の都08系統の前身です。
上26系統：亀戸駅と上野公園を結んでいた路線で、後に青戸支所へ移管されました。
門33系統：亀戸駅と豊海水産埠頭を結ぶ路線で、一時的に南千住営業所が担当していましたが、後に江東営業所単独の所管に戻りました。
上34系統：市川駅と上野広小路を結んでいた路線で、京成電鉄との共同運行でしたが、後に青戸支所へ移管されました。
錦37系統：錦糸町駅と青戸車庫を結ぶ路線で、青戸支所へ移管されました。
墨38系統：東京都リハビリテーション病院と両国駅を結んでいた路線で、錦40系統へリニューアルのため廃止されました。
南千40・47・48系統：南千住駅東口を中心に運行していた路線で、後に廃止や統合されました。
里48系統：日暮里駅と足立区方面を結ぶ路線で、後に千住営業所へ移管されました。
草41系統：足立梅田町と浅草寿町を結ぶ路線で、千住営業所へ移管されました。
東42乙系統（一部区間の廃止）：南千住車庫と秋葉原駅を結んでいた路線で、2013年3月31日に浅草雷門発着に短縮されました。
草64系統：浅草雷門と池袋駅東口を結ぶ路線で、一時的に南千住が担当していましたが、後に巣鴨営業所単独の所管に戻りました。
46系統：四谷駅を起終点とする循環路線。1966年に廃止。
65系統：日暮里駅と東京駅八重洲口を結ぶ路線。1971年に廃止。
67系統：日暮里駅と新橋・東京駅を結ぶ路線。1971年に廃止。

脚注

注釈

出典

参考文献

都営バス系統案内図
都バス担当（系統）営業所一覧表
方面別新旧系統一覧表（以上、東京都交通局発行、1972年12月1日版）
都営交通路線案内図（東京都交通局発行、1978年版）